【AR共和国杯予想】実は堅い、近年のアルゼンチン共和国杯
前走準オープン組に妙味あり
ハンデ重賞というと「荒れる」と期待しがちだが、実際に荒れるかどうかはレース次第である。そして、今週行われるアルゼンチン共和国杯は、気が付けばむしろ「堅い重賞」になっている。
2014〜23年に10年すべてハンデ重賞として行われたレースは25レースある。愛知杯とターコイズS(格付け前含む)は9回、チャレンジカップは3回(2014〜16年)なので除外しているが、この後の話に影響はない。
これらのハンデ重賞において、全馬を均等買いした場合の回収率を求めれば、「荒れやすい重賞」「荒れにくい重賞」の傾向を見ることができる。均等買いなので、人気薄馬が馬券に絡んでいれば回収率が高くなるからだ。
25レースのうち単勝回収率がいちばん高いのはダイヤモンドSの257%で、ミライヘノツバサが単勝3万馬券を出したのが効いている。以下北九州記念、中京記念、CBC賞、中山牝馬S、七夕賞が単勝回収率100%以上だが、単勝回収率は一発の大穴で数値が振れるので、複勝回収率で見るほうがベターかと思う。
複勝回収率のトップは七夕賞の117%で、25レース中唯一の100%超え。以下函館記念、北九州記念と続く。
ではアルゼンチン共和国杯はというと、48%。これは前述25レースのうち最も低い数値だ。ブービーの福島記念が52%で、唯一の50%割れになっている。
ちなみに単勝回収率は31%なのだが、これはシルクロードSと並んで最も低い数値になる。つまり2014〜23年の10年間において、アルゼンチン共和国杯は「最も堅いハンデ重賞」だったということになる。
なぜそのようなことになるのか。理由のひとつは前走GI・GII組が強いことで、しかも前走GI・GIIの10着以下馬は[1-0-0-25]と走っていない。そのうえこの1勝が1番人気だったオーソリティ。つまりファンが格上とイメージする馬が走っているということになる。
アルゼンチン共和国杯で唯一回収率が高いグループは前走準オープン組で、過去10年[2-2-5-13]、回収率は単90%・複112%だ。今年は前走準オープン2着のタイセイフェリークが出走しているが、前走惜敗組が馬券に絡んだケースはあるので、今年の配当を期待する場合は、この馬を頼るのがひとつの手段となる。
もちろん、今年だけ急に荒れるということも可能性としてはあるのだが、近年の傾向としては格上組が強く、配当が大人しめのアルゼンチン共和国杯。予想をするうえでそこは念頭に置いたほうがよいだろう。