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【AR共和国杯予想】実は堅い、近年のアルゼンチン共和国杯

  • 2024年10月29日(火) 12時00分

前走準オープン組に妙味あり


 ハンデ重賞というと「荒れる」と期待しがちだが、実際に荒れるかどうかはレース次第である。そして、今週行われるアルゼンチン共和国杯は、気が付けばむしろ「堅い重賞」になっている。

 2014〜23年に10年すべてハンデ重賞として行われたレースは25レースある。愛知杯とターコイズS(格付け前含む)は9回、チャレンジカップは3回(2014〜16年)なので除外しているが、この後の話に影響はない。

 これらのハンデ重賞において、全馬を均等買いした場合の回収率を求めれば、「荒れやすい重賞」「荒れにくい重賞」の傾向を見ることができる。均等買いなので、人気薄馬が馬券に絡んでいれば回収率が高くなるからだ。

 25レースのうち単勝回収率がいちばん高いのはダイヤモンドSの257%で、ミライヘノツバサが単勝3万馬券を出したのが効いている。以下北九州記念、中京記念、CBC賞、中山牝馬S、七夕賞が単勝回収率100%以上だが、単勝回収率は一発の大穴で数値が振れるので、複勝回収率で見るほうがベターかと思う。

 複勝回収率のトップは七夕賞の117%で、25レース中唯一の100%超え。以下函館記念、北九州記念と続く。

 ではアルゼンチン共和国杯はというと、48%。これは前述25レースのうち最も低い数値だ。ブービーの福島記念が52%で、唯一の50%割れになっている。

 ちなみに単勝回収率は31%なのだが、これはシルクロードSと並んで最も低い数値になる。つまり2014〜23年の10年間において、アルゼンチン共和国杯は「最も堅いハンデ重賞」だったということになる。

 なぜそのようなことになるのか。理由のひとつは前走GI・GII組が強いことで、しかも前走GI・GIIの10着以下馬は[1-0-0-25]と走っていない。そのうえこの1勝が1番人気だったオーソリティ。つまりファンが格上とイメージする馬が走っているということになる。

 アルゼンチン共和国杯で唯一回収率が高いグループは前走準オープン組で、過去10年[2-2-5-13]、回収率は単90%・複112%だ。今年は前走準オープン2着のタイセイフェリークが出走しているが、前走惜敗組が馬券に絡んだケースはあるので、今年の配当を期待する場合は、この馬を頼るのがひとつの手段となる。

 もちろん、今年だけ急に荒れるということも可能性としてはあるのだが、近年の傾向としては格上組が強く、配当が大人しめのアルゼンチン共和国杯。予想をするうえでそこは念頭に置いたほうがよいだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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