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【AR共和国杯など予想】今週は各地で重賞レースが開催される 出走有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年10月30日(水) 18時00分

サヴォーナの評価は?


 先週の天皇賞(秋)。◎ドウデュースがパドックに登場した時、飄々とした表情で歩いていたので、これは大丈夫だと確信。レースもきっと大外一気になるだろうと思っていましたが、レースはかなりのスローペース。普段なら「大丈夫!?」って思っちゃうんですが、信じ切っちゃえば、意外と冷静に観ることができるんですよね。

 そういえば、キズナの日本ダービーも同じような感じでした。とてもじゃないけど差せるような位置じゃないところから、あのエピファネイアを差し切り。不思議と「きっと差せる」って思っちゃうんですね。これから2歳重賞が続いていきますが、そんなGIで『信じたくなる馬』に巡り合えるかどうか、いつもそんな気持ちでトレセン取材させてもらっています。

【京王杯2歳S/エイシンワンド】

 中京芝1200mの新馬戦、小倉2歳Sを連勝。先行して速い上がりを使う押し切りですから、勝ち時計は平凡でも強かったという表現をして全く問題ないと思います。少しレース間隔のあいた今回ですが、追い切り自体は前走時同様、坂路オンリーで順調に消化しています。

 1週前追い切りが4F50.8秒で自己ベストを大幅に更新。2F23.6秒も2歳とは思えない脚力を見せた形になります。最終追い切りは4F54.3秒と時計が遅くなりましたが、デビューから2戦の最終追いが53秒台ですから、大きな差はありません。むしろ4F目最速ラップを踏むことができたという意味で評価したいところです。
調教Gメン研究所

1週前追い切りで自己ベストを大幅に更新したエイシンワンド(10月29日撮影)


【ファンタジーS/カワキタマナレア】

 新馬、OP特別と札幌で連勝。新馬時は函館競馬場、前走は札幌競馬場で調整して結果を出しました。ゆえに栗東での調整は今回が初めて。そんなこともあってか、2週前追い切りの坂路では4F56.7秒と時計自体は地味でした。

 1週前追い切りは鮫島克駿騎手が跨って、CWでの併せ馬。杉山佳明厩舎のパターンで2コーナーから入場しての6F追いでしたが、88.0秒という時計もさほど目立つものではありません。最終追い切りの坂路も4F54.5秒と全体時計は地味ですが、4F目は12.1秒とさすが連勝している馬の脚力。全体的な調教量は多くありませんが、追うたびに良くなっている感じはあるだけに、この現状で他との力関係がどうかといったところです。

【アルゼンチン共和国杯/サヴォーナ】

 前走オールカマーは中9週で5本の追い切り。しかもほぼ併せ馬のない追い切りだったので、調教の負荷としては軽い印象でした。それでも4着という結果ですから、決して悪くないかもしれませんが、今回の方が中5週で6本の追い切り消化でレース間隔を考えれば、負荷は強化されています。

 そして、1週前追い切りはCWで併せ馬を先着。6F81.1秒は前走時の1週前追いよりも遅い時計ですが、3F35.9秒はめちゃくちゃ速い時計。動きも抜群だったと思います。最終追い切りの坂路での4F時計も日経新春杯2着の時とほぼ同じ。調教に関しては前走よりも今回の方が評価をしたい内容になっています。
調教Gメン研究所

前走より評価の高い調教を消化したサヴォーナ(10月22日撮影)


【アルゼンチン共和国杯/セレシオン】

 前走新潟記念は関越S3着から中4週。8月はしっかり栗東で追い切りを積み重ねて、豊富な調教量で重賞挑戦となりましたが、2着という結果は高く評価すべきところだと思います。今回の方がレース間隔はあきますが、追い切りのパターンとしては前走とほぼ同じ。2週前追い切りと1週前追い切りがCWで併せ馬を消化しています。

 そして、最終追い切りはDP。私がストップウォッチで計時した数字が6F86.8秒。これは前走時よりも遅くなりますが、時計ではなく動きの機敏さを評価したいところ。ただ、新潟競馬場に対する相性の良さが抜群で、東京競馬場に関してはプリンシパルS7着の1回というのは少し気になります。
調教Gメン研究所

最終追い切りはDPを消化したセレシオン(10月30日撮影)


【みやこS/サンライズジパング】

 この馬の評価をする際に若駒Sの1着時の調教内容をベースにしていたので、それが4F50.8秒と速い時計でした。ゆえに時計が遅かったり、追い切り本数が少ないと、どうしても低い評価になり、でも馬券圏内に好走されるということが続いたのがここ2回のレースです。

 そういった意味では調教内容で評価が難しい(あくまで個人的に)馬ですが、今回は普段の坂路を駆け上がる雰囲気がすごく良く見えていて、追い切りも速い時計を出すというよりは終い重点。最終追い切りでもきれいな加速ラップを踏むことができているので、状態に関してはすごく良いと評価したいところです。
調教Gメン研究所

状態に関してはすごく良いサンライズジパング(10月29日撮影)


◆注目の新馬戦

・10/26 【ジーティーダーリン】(5人/5着) 将来有望調教該当<7頭>

 京都ダート1800mを除外されて、芝2000mに回ってきました。そんなこともあって5番人気でしたが、将来有望調教に該当していたように能力の裏付けは追い切りで示していました。しかも将来有望調教該当馬が7頭もいたレベルの高いレースで掲示板ですから、本来使いたかったダートになれば、即結果を出してくれることでしょう。

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1400m>
◎最終追い切り美W併せ外同入先着
◎週末追い坂路最終追いトラックW
◎最終追い切り坂路4F目最速ラップ

 4回東京開催に関しては◎併せ馬の調教適性が未勝利。ただ、2着3着に関しては該当馬の好走もあるので判断の難しいところです。ちなみに2歳戦に関しては将来有望調教がきっちり結果を出しているという印象があるだけに、舞台調教適性だけでなく、将来有望で勝ち上がってきた馬たちにも注意が必要でしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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