▲川田将雅騎手のJBCデー回顧後編(撮影:稲葉訓也)
「トレセンに行ったら、めっちゃイジられましたよ」
──コース取りも含め、3コーナー先頭という仕掛けのタイミングも予定通りだったんですか?
川田 レースの流れのなかでの判断ですね。佐賀でこの流れと形なら、早めに抜け出して押し切ってしまおうと。雰囲気的にウィリアムバローズもノットゥルノも苦しくなりそうでしたし、となると動いてこられるのはメイショウハリオしかいない。そのハリオが並び的に外を回す形を選択しているなか、ウィルソンは内から行かせるので、3〜4コーナーの内外の差を活かしてセーフティリードを取ってしまい、直線そのまま押し切るという形に持っていった。
──先ほどおっしゃっていたように、佐賀を知り尽くしているからこそ。
川田 僕にとっては、まさに庭ですから。そういう場所で、必ず勝てる競馬を組み立てたということです。みなさんが思う以上に難しいんですよ、地方の小回りって。ちょっとした差が大きな差につながりますからね。それが紛れに繋がるんですけど、だからこそ紛れを生じさせない競馬を組み立てる。
──思えば、ここまでGI級競走で2着3回。そんなウィルソンテソーロがついにGI級を勝ったという意味でも、大きな1勝でしたね。
川田 すごく大きなことだと僕も受け止めています。いつも頑張ってくれるけど、なかなか勝ち切るところまでは持っていってあげられなくて、昨年9月の白山大賞典を最後に1年以上、勝てていませんでしたからね。加えて、ウシュバテソーロ