過去10年のジャパンCにおいて、6歳以上は[0-0-0-52]と全く馬券に絡んでいない。5歳時に連対したヴェラアズール、シュヴァルグラン、サウンズオブアース、ラストインパクト、トーセンジョーダンなども翌年は着外に終わった。ただし今年は登録馬15頭中、6歳以上はカラテ(8歳)だけ。牡セン[7-8-8-120]連対率10.5%、牝[3-2-2-18]連対率20.0%、出走頭数は少ないが牝優勢の傾向で、今年の登録馬で牝馬はスターズオンアースとチェルヴィニア。外国馬はここ10年[0-0-0-25]、掲示板に載ったのもグランドグローリー(21年5着)とアイダホ(17年5着)だけ。今年の外国馬3頭は近年最強の布陣といえるが、果たして圏内まであるかどうか。(解説:望田潤)
オーギュストロダン 母ロードデンドロンは欧州のマイル〜10FのG1を3勝。その全妹に名牝マジカルがいる。母母ハーフウェイトゥヘヴンも愛1000ギニーなどに勝った一流馬。ファーストレディS(米G1・芝8F)のフォトコールなども近親。ディープインパクト×ガリレオはスノーフォール(英オークス)やサクソンウォリアー(英2000ギニー)と同じ。母はサドラーズウェルズ≒ヌレイエフ2×4で、ナタのストライドで欧中距離路線のトップを走ってきた。外国馬で東京芝に最も対応できそうなのはこれ。
距離○ スピード○ 底力◎ コース◎
カラテ グランドサッシュの甥。牝祖ゴールデンサッシュはサッカーボーイの全妹で、ステイゴールドやレクレドールの母でショウナンパンドラの母母。父トゥザグローリーは日経賞や日経新春杯の勝ち馬で、本馬とゲンパチルシファーが代表産駒。マイル重賞の上位常連だったが、年齢を重ねてズブくなって中距離に活躍の場をシフトしてきた。新潟大賞典と新潟記念、左回り大箱の重賞を勝っているが、8歳秋を迎えてGI級相手となるとさすがに苦しい。
距離○ スピード○ 底力○ コース○
ゴリアット ゲルリンク賞(独G2・芝2400m)のグアルディーニの甥。牝祖グアダルーペはバーデン大賞(独G1・芝2400m)のギニョール、バイエルンツフトレネン(独G1・芝2000m)のギュイリアニの母。父アドラーフルークは凱旋門賞馬トルカータータッソなどを出す独リーディングサイアーで、産駒のイキートスやイトウがジャパンCに来日した。ナスキロ的な斬れも秘める血統だが、キングジョージはいかにも持続力の勝利という勝ち方で、走りにも鋭敏さはあまり感じないので…。
距離◎ スピード○ 底力◎ コース○
シュトルーヴェ アンティシペイト(父ルーラーシップ)の3/4弟で、CCAオークスのワンダーレディアンエルの甥で、母アンチュラスはファンタジーS2着。ビホールダーマイルS(米G1・ダ8F)のアモーレイも近親。キングカメハメハ×ディープインパクトはヒートオンビートやアンドヴァラナウトなどと同じ。母父譲りの低燃費な体質走りで2400以上[4-1-0-0]。脚長のストライド走で東京芝[3-1-0-0]。舞台としてはベストに近いが、あとはチャンピオンクラスとの力関係。
距離◎ スピード○ 底力○ コース◎
シンエンペラー 仏ダービーと凱旋門賞を制したソットサスの全弟で、BCフィリー&メアターフのシスターチャーリーの半弟。母スターレットシスターはミスワキ3×3をもつ名繁殖。父シユーニはヌレイエフ直系の名種牡馬で、シユーニ×ガリレオは名馬セントマークスバジリカと同じ。見た目はデインヒルが強く、走るとナスキロ+トムフール的にしなやかなのは全兄と似る。オールラウンドな中距離馬だが、日本なら広い東京のほうがいい。相手ナリに駆ける地力を見直す手か。
距離○ スピード○ 底力◎ コース◎
ジャスティンパレス 母パレスルーマーは優秀な繁殖で、本馬の他にもベルモントS勝ちパレスマリス(ジャンダルマンタルの父)やアイアンバローズを産んでいる。近親にハリウッドゴールドCのレイルトリップなど。母父ロイヤルアンセムはシアトリカル産駒で芝10〜12FのG1を3勝。持続力に富む野太いストライドはディープとヌレイエフのイメージで、大箱向きで坂コース向き。前走天皇賞(秋)は直線捌くのに少し苦労したが2着はあった脚色。末脚勝負ならヒケはとらない。
距離◎ スピード○ 底力◎ コース◎
スターズオンアース ソウルスターリングやシェーングランツの姪で、母母スタセリタは欧米の芝中距離G1を勝ちまくった名牝。近親に仏オークス馬スパークリングプレンティやムーランドロンシャン賞のソーテルヌ。ドゥラメンテ産駒で母系にミクスドマリッジの血が入るのはタイトルホルダーやリバティアイランドと同じで黄金配合だ。母父にマイラーのスピードが入るのもバランス的に良い。スタセリタ譲りの底力や粘着力が光り、左回りのほうが真っすぐ走る。昨年3着ぐらいは。
距離◎ スピード○ 底力◎ コース○