日本総大将ドウデュースの仕上がりは?
先週のマイルCS。当コラムで少し触れた調教適性、予想バイブルで対象馬を絞った調教のミカタでした。5頭の馬連ボックスなら調教適性通り、でしたが、そこは1頭軸にこだわる私ですので、残念ながらの結果となってしまいました。ただ、予想のベクトルが間違っていなかったことは今週以降の京都開催にも繋がってくると考えています。
さあ、今週はジャパンC。調教適性ではないメンバー構成といった感じもしますが、近年好走しているのが、追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ。ここは基本線として重要になりそうですが、それでは外国馬を評価できないところが難点。これをどう考えるか、もう少し考えを煮詰めようと思います。
【京都2歳S/エリキング】
新馬、野路菊Sと連勝。特に前走は変則開催翌週のレースということもあり、レース当該週の追い切りは行わずに結果を出しました。そういった意味で今回、どのような最終追いでくるか、非常に興味深いところはありました。
まず、1週前追い切りがCWで古馬3勝クラスを追走して先着。この内容で十分な負荷をかけているので、最終追いはあまり時計を出さないのかもと勝手な想定をしていました。しかし、坂路での4F時計は52.8秒。自己ベストを更新する時計になっていて、調教内容としては前走以上と評価すべきなんだと思います。
前走以上の調教内容を消化したエリキング(11月20日撮影)
【京都2歳S/サラコスティ】
中7週の前走はレース前週の日曜日に週末追い切りでCW6F80.0秒の負荷をかけての勝利。日曜日は左回りになるので、中京も意識した上での調教パターンかなと思いますが、最終追い切りは坂路でした。
今回も最終追い切りは坂路。4F55.7秒と時計はそんなに速くありません。週末追い切りもあまり速い時計ではなく、1週前追い切りのCWが6F79.7秒をマーク。これがなかなか判断の難しい追い切りで、前半が速いラップで後半落ち着くという内容。強い負荷をかけてきたことは間違いなく、決して悪い調教内容ではないと思います。
【ジャパンC/ドウデュース】
天皇賞(秋)は衝撃のパフォーマンス。あれだけのレースをすれば疲れるだろうなと思いますが、翌週の水曜日には馬場で乗るんですから、本当にタフ。というよりも、前走を使って体つきがシャープに見えますから、レースを使って馬が良くなっているという判断をして間違いではないでしょう。それを示したのが、CWでの1週前追い切りでもあると思います。
最終追い切りはDP。時計は6F86.9秒(自己計測)なので、かなり遅くなりましたが、前走からのレース間隔、1週前追いの内容を踏まえると全く問題ありません。むしろ道中あのペースで走って、気負ったりムキになるところが全くなかったところが素晴らしいと思います。だから、走りのバランスもパーフェクトでした。1度レースを使った分、気持ちが入りすぎることを懸念していただけに、それがなかったことで安心しました。むしろ、落ち着き払うあの姿に期待は高まるばかりです。
走りのバランスもパーフェクトなドウデュース(写真奥、11月13日撮影)
【ジャパンC/ジャスティンパレス】
昨秋は天皇賞(秋)2着から有馬記念というローテーション。今年は天皇賞(秋)4着からジャパンCというローテーションになります。前走は昨年の同レースよりも調教内容としては余裕を残した形というのが私の判断。それを思えば、ゴール前で差を詰めてきた脚は想像以上で、これを叩いて次は、という印象を受けていました。
ただ、それには1週前追い切りがCWであることが条件だと思っていました。理由は天皇賞(秋)も天皇賞(春)も1週前追いはCWだったから。もちろん、それらのレースとは間隔が違うので調教パターンが違っても、という考え方があることは分かっています。1週前追いの坂路での動きを見ても、CWではないからと軽視できるような動きではなく、間違いなく前走以上の動き。そういった意味でどこまで評価するか難しい部分はありますが、前走以上には走ってきそうです。
前走以上には走ってきそうなジャスティンパレス(11月19日撮影)
【京阪杯/エイシンスポッター】
昨年の3着馬で今年のスプリンターズSは勝ち馬から0.5秒差の9着。57キロのここならと人気する理由はなんとなく理解できます。ただ、2023年鞍馬Sを不良馬場で勝っているとはいえ、良馬場の時は1分8秒前後の走破時計で好走。荒れてきた馬場状態がどうなのかなという気はしますが、ここはレース当日の天気もあるでしょう。
1週前追い切りの坂路での時計の出方は昨年とほぼ同じ。今年勝った安土城Sと比べると物足りなさは感じますが、昨年と同じレース間隔で同じような1週前追いなら評価すべきかもしれません。最終追い切りは坂路で3F目以降が12.3秒、12.3秒。12.9秒以下の速いラップを刻んだところは評価できますが、4F目最速ではないところが気になります。
少し物足りなさを感じるエイシンスポッター(11月19日撮影)
◆注目の新馬戦
・11/17 【ロードレジェロ】(2人/2着) 将来有望調教該当<7頭>
9頭立てで7頭が将来有望の該当馬ですから、1着2着が将来有望調教該当馬でも不思議はありません。ただ、この2頭が後続を突き放して、最後の直線ラスト2Fのレースラップが11.2秒から11.0秒。これに対応した2頭が勝ち負けを演じて、少し差し遅れた馬たちは着順が悪くなっているので、このレース自体が全体的に注目かなと思います。
◆開催おすすめの調教適性
<京都芝1200m>
◎最終追い切り坂路4F目最速ラップ
◎最終追い切り坂路1F目13.9秒以下
○調教タイプ追い切り本数標準以上併用系統
終いの速さか、テンの速さか。これが京都芝1200mの調教適性ですが、今秋は終いの速さが圧倒的に有利な結果が出ています。また、オープン特別や重賞レベルになると中盤からラストにかけてのラップも重要になるので、京阪杯はここがポイントになりそう。これに関しては、調教のミカタで詳しく触れようと思います。