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【チャンピオンズCなど予想】今週から冬の中京開催がスタート! 有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年11月27日(水) 18時00分

サンライズジパングには高い評価


 ジャパンカップ◎ドウデュース。パドックでの姿は本当に素晴らしく、返し馬もすごくきれいでした。あのペースでも折り合えたのは馬の状態、武豊騎手、その他とすべてが噛み合ったからこそだと思います。パドックも含め、東京でのラストラン、見納めることができて、とても貴重な経験をさせていただきました。

 さて、今週はチャンピオンズカップ。今週から始まる中京開催。ダート1800mにはどんな調教適性があるのでしょう。先週は予想バイブル「調教のミカタ」で京都芝1200mを取り上げましたが、少しはお役に立てたはず、と自負しております。今週は中京ダート1800mを取り上げますので、そちらもご覧いただければ幸いです。

【ステイヤーズS/ゴールデンスナップ】

 特別登録段階で驚いたのが、芝未勝利のダート複数勝利馬が何頭も登録していること。そして、もうひとつは格上挑戦なのに、本馬がnetkeibaの予想オッズで京都大賞典の勝ち馬シュヴァリエローズと差のない人気に推されていること。それだけ長距離適性を評価されているということなのでしょう。

 中4週ですが、1週前追い切りはいつも通り、CWでの併せ馬。浜中俊騎手が跨って、古馬2勝クラスを追走しましたが、同入としっかり動けています。週末の坂路での時計もなかなか速くて、レース間隔が詰まっているからといって緩めた感はありません。馬体重も使うたびにぐんぐん増えていますから、中山への遠征もさほど心配ないでしょう。

調教Gメン研究所

1週前追い切りはいつも通りの調教を消化したゴールデンスナップ(11月26日撮影)


【チャレンジC/マキシ】

 今年1月は1勝クラスでしたが、5月までに3勝クラスを勝ち上がってOP入り。前走ケフェウスSは勝てなかったもの、2着だったことが評価されて、ここでも人気に推されているような印象があります。ただ、ケフェウスSがレベルの高いレースだったかどうかは個人的には疑問を持っています。

 それはさておき、調教内容は坂路とCWを併用して、しっかりと仕上げられています。調教量は十分だと思いますが、1週前追い切りがCWで古馬1勝クラスを追走して遅れ。ケフェウスSの1週前追いではきっちり先着できていただけに、これは少し気になる好走時との相違点になります。

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好走時との相違点が気になるマキシ(11月26日撮影)


【チャレンジC/ボルドグフーシュ】

 イクイノックスが勝った有馬記念で2着。この実績があるだけで、このくらいの人気に推されることはなんとなく理解できます。ただ、そのレースは2022年の暮れの話、そして、前走は2023年4月で今回は1年と7ヶ月ぶりのレース。しかも菊花賞2着も含め、GIで好走した距離よりも短くなります。

 仮に順調だったとしてもベスト条件ではないと思いますが、今回はCWでの追い切りがなく、坂路オンリー。これでどこまで仕上がるかというところですが、1週前追い切りが坂路で4F51.3秒をマークして自己ベストを更新しました。しかも2F23.6秒。きっとこれだけ動けば、というところなのでしょうが、有馬記念の1週前追いではCW6F78.2秒をマークして、クインズメリッサを追走して先着の動き。この馬自身の比較の中で動きのレベルはまだまだ低値だと思います。

【チャンピオンズC/サンライズジパング】

 休み明けの不来方賞を使って、ジャパンダートクラシック、みやこSはレース間隔が詰まり気味のローテーション。ジャパンダートクラシックとみやこSは1週前追い切りで坂路4F53秒台をマークしていましたが、さすがに今回は4F55.6秒。軽く済ませたのは分かりますし、週末追い切りも坂路で15-15ほどの時計は出していません。

 そういった意味で調教内容から前走以上と評価することは難しいと思っていました。ただ、1週前追い切りの坂路での動きを見ていても活発な脚運びでしたし、疲れている印象はありません。そして、最終追い切りは武豊騎手が跨って、坂路4F51.4秒。最終追いの負荷としてはここ2走よりも格段に上ですから、ここは高い評価が必要です。

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格段にいい最終追いを消化したサンライズジパング(11月26日撮影)


【チャンピオンズC/ペプチドナイル】

 前走南部杯は休み明けでしたが、中間に坂路4F49.8秒の自己ベストをマークして、調教量もしっかりとこなしていました。2着という結果は納得の調整過程だったと思いますし、ここに向けては上積み可能な状態だったのかなと思います。

 今回は11月20日のCWでの追い切りをトレセンニュースに取り上げたように、すごくスピードとパワーのバランスがよい走りを見せていました。本馬、武英智厩舎は土曜日に本追い切りを課してくるので、きっと土曜日追いは良い動きをするだろうと思っていたら、11月23日の坂路は4F51.2秒、2F23.8秒としっかり時計も出すことができています。最終追い切りはいつも通りの時計ですから、順調だと思います。

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坂路で自己ベストをマークしたペプチドナイル(11月20日撮影)


◆注目の新馬戦

・11/23 【ゴージャスドラゴン】(3人/4着) 将来有望調教該当<1頭>

 将来有望調教の該当馬が1頭しかおらず、該当馬は11着。レースレベル自体はさほど高くなかったと思いますが、本馬はちょっと距離足りずかなという負け方。内枠でフルに能力を発揮できなかったところもあるので、今度は距離延長で期待です。

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝2000m>
◎最終追い切り坂路4F目最速ラップ
◎調教タイプ追い切り本数標準以上併用系統かつ1週前以降トラックW4F52.0秒以下

 開催が続く京都。芝もかなり荒れてきて、坂路での4F目最速ラップはどの距離でも10月前半の時よりも威力を発揮している状態。芝2000mに関してもその傾向は強いと思います。ただ、併用調教馬に関しては4回5回開催の結果も踏まえて、ただの併用系統ではなく、トラックウッドチップ馬場で半マイルからしっかり時計を出している馬と調教条件を厳しくしたので、好走確率は上がってくると思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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