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「少しだけ遅れる感じで出して」──スタートの工夫が実を結んだ“憎たらしいほど賢いアサクサゲンキ”との初勝利

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  • 2024年12月09日(月) 18時02分
加矢太論

▲アサクサゲンキと制したイルミネーションJSを回顧(撮影:桂伸也)


2023年2月の『太論』出演時、競馬について「激しく苦戦中」と語っていた加矢太騎手。しかし、その後の障害レースでの経験に加えて、高田潤騎手など先輩たちからのアドバイスを受け、騎乗スタイルを試行錯誤してきました。

特に、アサクサゲンキから学んだ数々の教訓は、先々週イルミネーションJSでの勝利という形で成果を結び、自信を深めるきっかけとなったそう。そのレース前、「背中を押してくれた」熊沢元騎手との会話とは──。

(取材・構成=不破由妃子)

「アサクサゲンキで1勝しないことには、ジョッキーとして一皮むけないような気がしていた」


──2023年の2月に『太論』にご出演いただいた際、競馬的要素に関しては「苦戦していますよ。激しく苦戦中」とおっしゃっていて。そのあたりの進化については、ご自身でどう感じていますか?

加矢太 今でも苦戦していますよ。今年は2着がけっこう多いんですけど(12月8日終了時点で18勝2着13回)、なかには勝てたはずの2着もかなりあるので…。道中の少しずつのミスが、最後の半馬身差なりアタマ差なりにつながってしまったなと思うことが多々あります。レースを見返しながら引き算をしていくとわかるんです。「ああ、あそこで余分なことをしているな」と。

──障害レースでいう余分なこととは?

加矢太 これは平地も同じだと思いますが、ゲートでいつもより少し遅れて、そのぶんいつもより踏んで行ったとすると、まずそこで脚を使っちゃいますよね。あとは、飛越の際に馬がバランスを崩したら、そこでもまた余計な脚を使ってしまう。ポジションを争う展開になったときは、押しても引いても脚を使ってしまいますしね。

 そのあたりの駆け引きが“競馬力”だと思うんですけど、そういった少しずつのことが最後のアタマ差、ハナ差として出てくる。

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1996年12月24日、兵庫県生まれ。父・小牧太はJRAジョッキー。一度は競馬への道を志すも、身長が高く体重制限が難しい為馬術の道へ進む。馬術では2016年ヤングライダー障害飛越選手権、2020年全日本障害飛越選手権など複数の全日本大会で優勝。その後障害レース限定の騎手免許試験に合格、2022年にデビューした。馬術からJRA騎手への転身という前例のないルーキーとして注目を集めている。

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