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【ユーザー質問】逃げや2番手の外で馬が気持ちよく走る理由「園田の砂は、中央の砂より痛い」

  • 2024年12月10日(火) 18時01分
太論

▲前の馬が蹴り上げる“キックバック”についてユーザー質問(撮影:稲葉訓也)


先週は、12月4日の園田メインで父・太騎手がサイレンスタイムを3連勝に導き、7日土曜日の京都では、インプレスが息子・加矢太騎手の手綱で3連勝! ともに今後も楽しみなパートナーで競馬を盛り上げてくれました。5日の園田金盃当日は、その加矢太騎手がトークショーのゲストとして園田競馬場に来場。そこで語ったワクワクするような目標に、はたして父の反応は!?

(取材・構成=不破由妃子)

先週の岩田ウィークに「康誠にはもっともっと頑張ってほしい」


──阪神ジュベナイルフィリーズでは、ついに岩田望来騎手(アルマヴェローチェ)がGI初制覇を決めました。小牧さんにとっては、赤ちゃんの頃から見ている子ですよね? 感慨深いものがあるのでは?

小牧 望来が子供の頃の記憶はあんまり…(苦笑)。いつも話すけど、僕は自分の子供の面倒すら見ていなかったくらいやからね。ただ、望来に関しては、そろそろGIを勝ちそうやなとは思ってた。予想でも2番手に挙げていたしね。

──対抗でしたね。だがしかし、本命のブラウンラチェットは16着…。

小牧 12キロ減っても勝つんやろうなと思いながら見てたんやけど…。道中で揉まれたね。掛かっていたし、あれで消耗してしまったんちゃうかな。阪神JFは、どの馬がきてもおかしくないレースやったこともあって、改めて競馬は難しいなと思った。そういえば、土曜日はお父さんが中京で頑張ってたやん。

──ですね。中京で8R、9R、そしてメインの中日新聞杯(デシエルト)と、騎乗機会3連勝。終わってみれば、岩田ウィークでした。

小牧 そうやね。康誠には、もっともっと頑張ってほしいと思ってるよ。

太論

▲9月に行われた園田ゴールデンジョッキーCでの岩田康誠騎手との記念撮影(撮影:稲葉訓也)


──そういえば、園田金盃が行われた12月5日は、園田競馬場で小牧親子が揃い踏み。

小牧 うん、僕はレースに乗っていたから見れんかったけど、加矢太がトークショーのゲストできてくれた。

──トークショーで「いずれは平地の免許を…」という話題になって、「園田の交流レースに乗るのが目標です」とおっしゃっていましたよ。となれば、平地で親子競演が実現するかも!

小牧 確か、減量期間が終わったら受けられるんだっけ? となると、あと2年か…。僕は59歳。ギリギリやね(苦笑)。まぁ加矢太は土曜日も勝っていたし、頑張ってるよ。

──障害界のリーディング争いも俄然おもしろくなってきた。

小牧 土曜日は加矢太、日曜日は上野翔が勝って、18勝でまた並んだからね。あと2つ勝ったら、確か障害最多勝記録だったはず。どうせなら、そこまでいってほしいね。

──加矢太さんには、土曜日に3連勝を決めたインプレスという楽しみなパートナーも現れましたからね。今年のリーディングはもちろん、来年以降も非常に楽しみです。3連勝を決めたパートナーといえば、小牧さんのあの馬も。12月4日、園田のメインレースを勝ったサイレンスタイムは強かった!

小牧 強いねぇ。抜け出すときの脚が速いわ。12月25日の兵庫ゴールドトロフィーを狙っているみたいやけど、地元の馬も4頭くらいしか使えないから、入らない恐れがあるねん。

──確か小牧さんは、10月の兵庫ゴールドカップを勝ったエコロクラージュに乗るのでは?

小牧 サイレンスタイムが交流重賞でどんな走りをするのか楽しみな気持ちもあるけど、当初の予定通り、エコロに乗ろうかなと思ってる。エコロは地元の叩き上げやから、未知の魅力もあるしね。

──兵庫ゴールドカップが強い競馬でしたからね。さて、最後にファンからの質問をひとつ。「チャンピオンズCのジョッキーカメラを見て、キックバックの激しさにびっくりしました。馬は相当痛いだろうなと思いながら見ていたのですが、何度か走っているうちに慣れてくるものなのでしょうか」。

小牧 慣れないでしょう。人間はゴーグルやダート板を着けているから大丈夫やけど、あれがなかったらすごいことになるよ。当然、目は開けてられへんしね。レース中は痛みを感じないけど、終わってから着替えると、体が赤くなっていることもあるし。

──勝負服やアンダーシャツを着ていても、砂が当たったところが赤くなるということですか?

小牧 うん。園田の砂は、中央の砂より痛いね。

──2020年から使用されている白い砂ですよね?

小牧 そうです。白い砂はサラサラしているから、ダート板や鞍に引っ付かないんやけど、痛がる馬が多いみたい。だから、逃げたり2番手の外に付けたりすると、馬が気持ちよく走るんですわ。レースのあとは、すぐに馬の目を洗ってるよ。とはいえ、地方競馬はほとんど白い砂に替わったし、中央も混ぜ始めている。中央もいずれ白い砂になると思うわ。

──ちなみに、気にしない馬もいるんですか?

小牧 痛みを感じているかどうかはわからんけど、古馬はほとんど気にする素振りは見せないね。ただ、若い馬はみんな気にするから、普段から砂を被る練習をしたりして慣らしている。どんな砂でも走る馬は走ってくれるから、あんまり人間が気にしすぎてもアカンのやけどね。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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