変則的な調整内容がレースに波乱生むか?
2週続けて月曜日まで開催があった影響で、火曜日全休、水曜日全休明けという日程。厩舎関係者からは「2週続けてこの日程は調整面で難しさがありますね」という声が聞こえており、やはり土曜日、日曜日の開催に照準を合わせて仕上げていくということがルーティーンになっているということでしょう。中山でも中京でも波乱含みのレースが続いているのは、このあたりに影響があったりするかもしれません。
今週は土日開催ですが、調整は変則。これがまたどんな影響になるかというところですが、京成杯、日経新春杯に関しては各陣営が思った通りの調整で進めることができている印象もあります。
【京成杯/パーティハーン】
デビュー戦は友道康夫厩舎らしく、最終追い切りがDコース芝馬場でしたが、2戦目は中2週ということもあって、坂路での最終追い切り。そして、今回は中9週だったので、どのような調教パターンを選択してくるか、興味深いところはありました。
ポイントは1週前追い切りのCWでの3頭併せでしょう。これはデビュー戦の1週前追いと同じ。最後の直線に向いて、エンジンが掛かるまでに時間を要した感があって、ジュントミーには遅れましたが、ポタジェにはきっちり同入。ラスト2Fが11.7秒から11.3秒なら文句なしですし、最終追い切りの坂路では4F目最速ラップを踏んで、しっかりと動くことができています。
最終追い切りは良好のパーティハーン(1月15日撮影)
【京成杯/ゲルチュタール】
前走は葉牡丹賞は約3ヶ月ぶりのレースでしたが、追い切りは4本。これが少ない調教量というのは、杉山晴紀厩舎が関東遠征するのに最終追い切りがCWだったというところで察することができます。それでも2着という結果ですから、これはこれでさすがだと思います。
今回は中6週ですが、1週前追い切りをCW、最終追い切りを坂路というパターン。1週前追いの動きはやや物足りない印象もありましたが、最終追いは単走ながら完成度の高い走り。最終追いが坂路というのは初めてになりますが、ここは厩舎のパターンからいっても全く心配ではありません。
【日経新春杯/ヴェローチェエラ】
京都新聞杯3着だった頃の最終追い切りは坂路でしたが、札幌のレースを経てのここ2走は最終追いがCW。そのパターンは今回も継続されていますし、併せ馬でしっかりと負荷をかけてくるというのも同じです。
CWでリアライズオーラムを追走しましたが、ラスト1F標識では相手の手応えの方が優勢に見えます。どうしたんだろうと思った瞬間、ゴール前では先ほどまでの脚色がまるで逆になり、ヴェローチェエラが優勢。時計的なことを踏まえても、しっかりと動くことができましたし、追い切り内容に関してはこれまでと同様という感じです。
ヴェローチェエラはこれまで同様の追い切り内容(1月9日撮影)
【日経新春杯/ホールネス】
レース間隔をあけて使うことがほとんどだったことを考えると、前走中2週のエリザベス女王杯はそういった懸念材料を吹き飛ばす結果だったと思います。しかも中2週で極端に追い切り負荷が軽くなったわけではなく、1週前追い切りの坂路でしっかり時計を出していたこともポイントでしょう。
今回はレース間隔があいていることもあり、最終追い切り芝馬場での時計は前走よりも速くなりました。ただ、中間の追い切り内容、時計的な負荷としてはそれほど強くなく、新潟牝馬Sを勝った時に似ているかなといった感じ。調教内容としては何も不安なしといってよいでしょう。
【日経新春杯/メイショウタバル】
有馬記念出走を視野に入れたこともあり、栗東では11月下旬から追い切りを開始。途中で目標をここに切り替えましたが、週1本のペースで追い切りを進めていたので、オーバーワークという印象は全くありません。むしろ、丁寧にここまで仕上げてきたなという印象があります。
最終追い切りはCW。今回から馬具を替えたということで、折り合いがつくようになったという厩舎コメント。見た目には行きたがっているようにも見えたのですが、6F80.3秒をマークしつつ、ラスト2Fが11.8秒から11.0秒なら、しっかり折り合って動くことができたのかもしれません。調教内容はもちろん評価したいところです。
丁寧に仕上げられたメイショウタバル(1月15日撮影)
◆注目の新馬戦
・1/13 【ハクサンアイリス】(2人/4着) 将来有望調教該当<1頭>
将来有望調教が1頭しかいなかったことを考えると、本来は勝たないといけないのですが、中京ダート1400mを除外されてここを使っています。そして、このメンバーの芝で勝てなかったということは、やっぱりダート向きということ。ダートの未勝利に出てくれば、即勝ちというイメージです。
◆開催おすすめの調教適性
<中京芝2200m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
2021年から2023年の日経新春杯が中京芝2200mで行われていますが、2021年は◎が3着以内を独占して、3連複1122.0倍の10万超えでした。基本的には◎重視ですが、今の傷んだ中京芝の状態を考えると○が◎に近い調教適性となることもありそうです。