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【皐月賞など予想】休み明けとなるクロワデュノールの状態は? 有力馬たちの調教内容をジャッジ

  • 2025年04月16日(水) 18時00分

予想のポイントは「1週前追い切り」にあり?


 先週の桜花賞。栗東滞在の◎エンブロイダリーで大正解でした。相変わらず馬券の買い方が下手すぎて、回収率は低調なままですが(笑)。競馬予想TV! に出演した時に「雨馬場のアドマイヤマーズ産駒は…」という小林さんの発言にそうだったんだ! と一瞬怯んだんですが、追い切りの走法から雨を苦にして惨敗するようなタイプではないだろうと予想しておいて正解でした。

 予想TV! でも予想バイブル「調教のミカタ」でも触れた、1週前追い切りの併せ馬の重要性。やっぱり今年もこれが継続されました。実は皐月賞でも同じように1週前追い切りに重要なファクターがあります。もちろん、これを重視して予想を組み立てていく予定です。

【アンタレスS/ヤマニンウルス】

 デビューからの連勝がストップした名古屋大賞典。当初はチャンピオンズCへの出走を目指して調整していただけに、いろいろと歯車が噛み合わなかったレース、ノーカウントにしてもよいレースではないかと思います。芝を使った小倉大賞典もそうですし、そこから立て直すという意味では前走のダート1400m経験は良かったかもしれません。

 その後はここを目標に順調に調整。追い切り自体はいつも通り、終い重点でしっかりと負荷をかけられています。追い切り本数自体もきっちりこなせていますし、あとは他との力関係ということになりそうです。

調教Gメン研究所

追い切り本数はきっちりこなせているヤマニンウルス(4月16日撮影)


【福島牝馬S/セキトバイースト】

 1週前追い切りがCWで併せ馬を先着。これで3勝クラスを勝ち上がったこともあり、これが好走パターンだと思っていましたが、前走は同じパターンながら12着の惨敗。重賞ということもあったので、一概な比較はできないところですが、秋華賞も同じパターンで負けています。

 というわけで、調教内容で前走からの巻き返しを判定するのは少し難しいところ。追い切りの本数や時計の出方はこれまでと変わっていないだけに直線平坦、直線短い福島なら変わってくるという可能性は十分あります。

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福島なら変わってくるという可能性はありそうなセキトバイースト(4月15日撮影)


【福島牝馬S/アリスヴェリテ】

 レース間隔に対して、決して多くない追い切り本数でも結果を出してしまう馬。スピードタイプの逃げ脚質の典型のような調教パターンで重賞も勝っています。しかし、マーメイドSは中2週で2本の追い切りで勝利。レース間隔は詰まっている方がよいのかなと思います。

 今回は休み明け。いつも通り、追い切り本数は少ないのですが、中間の坂路での4F時計もそこまで速くありません。最終追い切りこそ、それなりに速い時計でしたが、調教内容全体として強い負荷というほどではありません。逃げ先行争いが激化しそうなこのメンバー、この運動量だと少し厳しいのではないかというのが、現時点での評価です。

【皐月賞/クロワデュノール】

 ホープフルS以来の休み明け。間隔こそ違うものの、休み明けという意味では東京スポーツ杯2歳Sの時に似ているだけに当時の状態が良くなかったというコメントを考えると、今回もどうなんだと半信半疑の方はいるでしょう。実際、休み明けよりもひと叩きした方が良くなるタイプであることは事実だと思います。

 ただ、立ち上げが早くなかった東京スポーツ杯2歳Sとは違い、今回はレースの1ヵ月以上前には追い切りを開始しています。その分、1週前追い切りのCWではきちんと反応できる状態が整っています。主観的な評価をすれば、3コーナーで軽く仕掛けた時に前との差を詰めた、あの動きが抜群でした。そして時計の出やすい馬場状態とはいえ、1F11秒を切った10.9秒は自己ベスト。3コーナーから動いて、ラスト1Fがこの動き、文句なしの状態だと感じていました。

 最終追い切りもCWでの併せ馬でしたが、これも馬場入りから雰囲気が良くて、3コーナーではいつでも前に追いつきそうな勢い。最後の直線に向くと前に追いつきますが、ここから気持ちが入りすぎるようなこともなく、流す感じで併走できたのがレースに向けてベストな走りだったと思います。6F換算できれいな加速ラップ、客観的に見ても完璧な走りでした。

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レースに向けてベストな走りを見せたクロワデュノール(4月15日撮影)


【皐月賞/エリキング】

 3戦3勝でも骨折により休養。ホープフルSから直行するクロワデュノールと同じ休み明けでも意味が違うのは間違いありません。それゆえに調教評価が気になる、知りたいとおっしゃってくださる方もたくさんいます。まず、調教量から言えば、十分足りていると思います。

 ただ、これは馬のキャラクターもあるのですが、1週前のCWでの追い切りでは追いつくまでは速かったものの、抜け出してから相手に追いつかれてしまう内容。そこから追い出しても相手を突き放すことができておらず、こんなものだったかなと疑問符。そこで京都2歳Sの1週前追い切りと見比べましたが、反応はやはり京都2歳Sの時の方が良かったかもしれません。このあたりは陣営のコメントにも表れているように、懸念材料として考えておくべきでしょう。

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調教量は十分足りているエリキング(4月9日撮影)


◆注目の1勝クラス

・4/12 3歳1勝クラス【カンシン】(3人/1着) 将来有望調教該当<3頭>

 武豊騎手が逃げ切りを狙うところをきっちり差し切っての勝利。これまで良馬場と重馬場、右回りと左回りなど、芝1200mではありますが、いろんな条件を経験しての2勝目。なかなか守備範囲の広いスプリンターになってくれそうな予感です。

◆開催おすすめの調教適性

<福島芝1800m>
◎1週前追い切り以降に坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りがトラックW馬場でラスト1F最速ラップ

 2024年春開催の福島芝1800mが1着がすべて◎に該当していましたが、先週から開幕した福島芝1800mは3レース中2レースの1着馬が◎該当。昨年よりも少し調教適性として弱くなったところはありますが、今年も重要にはなってくるはず。あと、福島牝馬Sになると昨年は追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプが3着以内でしたから、今年もこれは重視すべきかも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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