阪神大賞典組を前走着順と前走人気から探る
今年の天皇賞(春)、個人的に悩んでいるのが阪神大賞典組の扱いである。近年好調な組でありもちろん軽視はできないのだが、今年は阪神大賞典が4、7、5番人気決着とやや荒れ加減だった。
そこで今回は阪神大賞典組の前走着順別成績だけでなく、前走人気順も含めて過去のデータを振り返ってみたい。期間はちょっと長く、過去20年とする。京都改修に伴う阪神施行の2021・22年も含めて見ていく。
過去20年の前走阪神大賞典組は[7-6-8-95]。天皇賞(春)好走馬は阪神大賞典を勝ってきた馬がほとんどで、阪神大賞典1着から天皇賞(春)に向かった馬は[6-2-3-8]となっている。これは勝率31.6%・複勝率57.9%で、阪神大賞典2着以下の馬は[1-4-5-86]で勝率1.0%・複勝率10.4%だから、だいぶ差は大きい。
前走阪神大賞典1着馬は、そもそも前走時点で上位人気だった馬が多く、阪神大賞典を5番人気以下で勝ち天皇賞(春)に向かった馬は2頭しかいない。この2頭はともに着外だったが、阪神大賞典を4番人気で勝ってきた2008年アドマイヤジュピタが天皇賞(春)1着、阪神大賞典を3番人気で勝ってきた4頭は[1-1-1-1]なので、今年阪神大賞典を4番人気で勝ってきたサンライズアースを嫌う必要はなさそうだ。
では、阪神大賞典を負けてきた馬はどうか。先述したようにこのグループはそもそもあまり走っていないが、一応見てみよう。阪神大賞典を4番人気以内かつ2着以下だった馬は[0-3-3-39]で複勝率13.3%。複勝回収率は35%と低い。阪神大賞典時点で上位人気という前提なので、負けてなお本番でもある程度人気になっているのだろう。
一方、阪神大賞典を5番人気で負けてきた馬からは2016年13番人気2着カレンミロティックと24年6番人気ディープボンドが出て複勝回収率134%。阪神大賞典を6番人気で負けてきた中からは12年14番人気1着ビートブラックと15年10番人気3着カレンミロティックが出て複勝回収率433%。20年で4回だから頻度はいまひとつだが、この4回はいずれも「過去にGIで馬券に絡んでいた馬」という共通項がある(カレンミロティックはこの2回の前に宝塚記念で2着)。今年は阪神大賞典5番人気3着のブローザホーンが宝塚記念勝ち馬なので、消さずにおいたほうがよさそうだ。メルボルンC2着のワープスピードは阪神大賞典3番人気なのでこの条件には当てはまらないが、趣旨としては近いので注意しておきたい。
本命にするか、阪神大賞典組の1、2、3着を狙うかという話になるとまた別だが、サンライズアースとブローザホーンを軽視しないようにしておきたい。