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【天皇賞(春)予想】阪神大賞典組をどう扱う

  • 2025年04月29日(火) 12時00分

阪神大賞典組を前走着順と前走人気から探る


 今年の天皇賞(春)、個人的に悩んでいるのが阪神大賞典組の扱いである。近年好調な組でありもちろん軽視はできないのだが、今年は阪神大賞典が4、7、5番人気決着とやや荒れ加減だった。

 そこで今回は阪神大賞典組の前走着順別成績だけでなく、前走人気順も含めて過去のデータを振り返ってみたい。期間はちょっと長く、過去20年とする。京都改修に伴う阪神施行の2021・22年も含めて見ていく。

 過去20年の前走阪神大賞典組は[7-6-8-95]。天皇賞(春)好走馬は阪神大賞典を勝ってきた馬がほとんどで、阪神大賞典1着から天皇賞(春)に向かった馬は[6-2-3-8]となっている。これは勝率31.6%・複勝率57.9%で、阪神大賞典2着以下の馬は[1-4-5-86]で勝率1.0%・複勝率10.4%だから、だいぶ差は大きい。

 前走阪神大賞典1着馬は、そもそも前走時点で上位人気だった馬が多く、阪神大賞典を5番人気以下で勝ち天皇賞(春)に向かった馬は2頭しかいない。この2頭はともに着外だったが、阪神大賞典を4番人気で勝ってきた2008年アドマイヤジュピタが天皇賞(春)1着、阪神大賞典を3番人気で勝ってきた4頭は[1-1-1-1]なので、今年阪神大賞典を4番人気で勝ってきたサンライズアースを嫌う必要はなさそうだ。

 では、阪神大賞典を負けてきた馬はどうか。先述したようにこのグループはそもそもあまり走っていないが、一応見てみよう。阪神大賞典を4番人気以内かつ2着以下だった馬は[0-3-3-39]で複勝率13.3%。複勝回収率は35%と低い。阪神大賞典時点で上位人気という前提なので、負けてなお本番でもある程度人気になっているのだろう。

 一方、阪神大賞典を5番人気で負けてきた馬からは2016年13番人気2着カレンミロティックと24年6番人気ディープボンドが出て複勝回収率134%。阪神大賞典を6番人気で負けてきた中からは12年14番人気1着ビートブラックと15年10番人気3着カレンミロティックが出て複勝回収率433%。20年で4回だから頻度はいまひとつだが、この4回はいずれも「過去にGIで馬券に絡んでいた馬」という共通項がある(カレンミロティックはこの2回の前に宝塚記念で2着)。今年は阪神大賞典5番人気3着のブローザホーンが宝塚記念勝ち馬なので、消さずにおいたほうがよさそうだ。メルボルンC2着のワープスピードは阪神大賞典3番人気なのでこの条件には当てはまらないが、趣旨としては近いので注意しておきたい。

 本命にするか、阪神大賞典組の1、2、3着を狙うかという話になるとまた別だが、サンライズアースとブローザホーンを軽視しないようにしておきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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