
▲友道師が明かす近藤利一オーナーとのエピソード(c)netkeiba
朝日杯フューチュリティステークスを勝ち、NHKマイルカップで3歳マイル王を目指すアドマイヤズーム。前走・ニュージーランドトロフィーは2着に敗れましたが、たしかな収穫もあり、陣営に悲観の色は見られません。
冠名「アドマイヤ」と友道康夫厩舎は、アドマイヤジュピタが2008年天皇賞(春)を勝ち厩舎GI初制覇を果たすなど、深い縁があります。朝日杯フューチュリティステークスでも友道調教師が身に纏っていたのは故・近藤利一オーナーが遺したスーツ。利一オーナーのエネルギー溢れるエピソード、そしてNHKマイルカップに向けて伺いました。
(取材・構成:大恵陽子)
デビュー直後からドウデュースと坂路で併せ馬
──前走・ニュージーランドTは2着。「負けはしましたけど前哨戦としては良かったです」と、レース後に話されていました。
友道 本番を見据えた前哨戦だったので、無理して出していきませんでした。元々、テンションが高い馬なので、レースではそこを考慮して走ってきた感じです。

▲イミグラントソングに敗れたものの本番に向け充実した内容だったニュージーランドT(撮影:下野雄規)
──調教でもコースで本数は重ねていたものの、しまいだけを伸ばす内容でした。
友道 テンションを上げないように、という課題がこの馬にはつきまとっていて、マイルを使う馬なんですけど、全体時計はだいぶゆったりでコースで長めを乗りました。
──2戦目で初勝利を挙げた後には、コントロールが利きづらくなる場面もありました。
友道 そうなんですよ。ゲートからゴールまではお利口さんなんですけど、その前後がとんでもなくて(苦笑)。ニュージーランドTでは初めて関東圏への輸送もありましたが、すごく落ち着きがあって上手く乗り切れたみたいで、その点は大きな収穫でした。
──デビュー前から、厩舎の先輩で国内外でGI・3勝を挙げたアドマイヤマーズのような活躍を期待するコメントも聞かれました。

▲19年のNHKマイルCを制した厩舎の先輩アドマイヤマーズ(撮影:下野雄規)
友道 セレクトセールの時からコンパクトな体ながらバランスが良かったですし、歩かせるとすごくリズミカルな動きをしていました。調教を始めてもいい動きをして、タイムも出ていたので、期待していました。
──デビュー戦の後にはドウデュースと坂路で併せ馬もしていました。
友道 デビューしたての2歳がドウデュースと一緒に走れるくらい、ズームも