アルマヴェローチェは調教内容からは軽視できない?
20日、火曜日の栗東は灼熱の暑さでしたが、水曜日以降は雨が降る予報もあり、週末の東京は最高気温で20℃くらいになりそう。これだけ気温差があると馬もかなり大変だと思いますが、先週日曜日の東京競馬場はかなり蒸し暑く、ヴィクトリアマイルに出走していた各馬も発汗が目立っていたので、そういった意味では馬にとっては適温でレースが行われるかもしれません。
ただ、お天気は微妙。雨が降っても決して時計のかかる馬場にはならない東京芝。それが近年のオークスの決着時計の速さになっているのでしょう。調教適性に関しては想定される決着時計によって方向性を決めようと思っていただけに、もう少し正確な天気予報が出てから考えてみようと思います。
【平安S/ロードクロンヌ】
4連勝が止まった前走。2走前が休み明けでも追い切り本数の少ない状態での3勝クラス勝ち。この時の余裕が前走の中2週でも重賞3着という結果になったように思います。追い切り本数が少なくても結果を出せるようなタイプですから、今回のように少しくらいレース間隔があいても全く問題ありません。
ただ、気になるのは1週前追い切り。CWで3歳1勝クラスを追走して手応え劣勢。確かにこの相手には3勝クラスで勝った時の1週前追いでも手応え劣勢でした。2勝クラスを勝った時の最終追いでもCWでは併せ馬に遅れていたので、遅れを気にするタイプではないのかもしれませんが、それにしても、という感じはあります。

併せ馬の手応えが劣勢だったロードクロンヌ(5月20日撮影)
【平安S/ジンセイ】
過去10年の平安S3着以内馬の前走を見ても、3勝クラスからここを使って馬券圏内に入った馬はいません。いくら京都ダート1900mで2勝しているからといっても、えらく人気を集めたものだなというのが正直な感想。まあ、それだけ実績馬の層が薄いのかもしれません。
中3週のレース間隔を思えば、これだけしっかりと坂路での追い切りを積み重ねることができていると評価すべきでしょう。1週前追い切りがCWだった前走に対して、今回は坂路だった点はレース間隔の違いがありそうです。あとは他との力関係だけ。これまでのレースはそう簡単にできないのではないかというのが個人的な意見です。

ジンセイの坂路追い切りは評価すべきポイントか(5月20日撮影)
【オークス/アルマヴェローチェ】
前走後は栗東に在厩。ちょっと驚いたのが、5月11日の調整。CWで2周半の運動を行った後、坂路で4F53.9秒の追い切り。しかも4F目12.5秒の最速ラップを踏んでいます。調教欄だけだと分からない豊富な運動量が、今回のアルマヴェローチェの礎になっているといっても過言ではないでしょう。
1週前追い切りはCWで上村洋行調教師が跨って、3頭併せを最先着。そして、最終追い切りは初めての坂路。これまでと違うレース間隔、東京への輸送などを考えると、自然な選択に思えます。前半に0.1秒だけちぐはぐラップを踏みましたが、4F目12.3秒のラップを踏んでいます。調教内容から軽視する理由はほぼないといってよいでしょう。

アルマヴェローチェを軽視する理由はほぼない(5月20日撮影)
【オークス/リンクスティップ】
前走桜花賞はスタート後手で後方からのレースになって、勝負どころから外を捲っていくような競馬。この馬なりに伸びていたと思いますが、瞬発力で先着された2頭に劣っていたということでしょう。
調教内容は前走と変わらず順調。1週前追い切りのCWでは力みのない走りを見せていて、やっぱりこの距離が向きそうな印象を受けます。最終追い切りは坂路でいつも通りの追い切り。時計に関しては前走よりも速く、このあたりは前走以上の雰囲気を感じると判断してもよさそうな数字です。

上積みの感じられる調教内容だったリンクスティップ(写真右、5月15日撮影)
【オークス/カムニャック】
衝撃のデビュー戦を思えば、前走でようやく重賞制覇を果たしたという感じ。ポテンシャルの高さは間違いなかったと思いますが、それを発揮するための準備がなかなかできていなかったということでしょう。前回から手綱をとったA.シュタルケ騎手。フローラSの2週前追い切り、1週前追い切りと騎乗して、感触を掴んでいたというのはレースで結果を出すことに大きく役立ったと思われます。
今回の1週前追い切りはCWで3頭併せを最遅。これは後ろで我慢して欲しいという友道康夫調教師のオーダーを実戦したもの。それでいて、最後の直線は馬なりで11.2、11.2秒のラップですから、かなりしっかりと動くことができています。最終追い切りは坂路で前半はちぐはぐラップでしたが、4F目12.2秒の速いラップ。調教量は豊富なのに、21日時点での馬体重は前走より少し増えているくらい。状態の良さは間違いないと思います。

状態の良さは間違いなさそうなカムニャック(5月20日撮影)
◆注目の1勝クラス
・5/18 3歳1勝クラス【タガノマカシヤ】(2人/1着) 将来有望調教該当<4頭>
大外枠ということもあったと思いますが、自分のリズムで競馬ができれば、新潟でなくても強い競馬ができる馬。前日の京都ダート1800mの勝ち時計を思えば、物足りない時計ではありますが、ともかくここは勝ったことが大きな収穫です。
◆開催おすすめの調教適性
<京都ダート1900m>
◎1週前追い切り以降にトラック馬場か坂路馬場で一杯に追うこと
○1週前追い切り以降に坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りがトラックウッドチップ馬場でラスト1F最速ラップ
昨年の平安Sは2着3着4着が◎に該当。その単勝人気は3番人気、10番人気、16番人気だったので、一杯に追うということは重要かもしれません。ただ、1着馬は調教タイプが標準多め併用。追い切り本数も重要なレースということかもしれません。