
▲安田隆行元調教師が今年の日本ダービーを分析(撮影:大恵陽子)
今年も競馬の祭典・日本ダービーの季節がやってきました。ゲートインするだけでも名誉と言われるほど、競走馬にとっては生涯一度の晴れ舞台。そこに34年前、単勝1倍台の人気を背負うトウカイテイオーに騎乗し、見事勝利を収めたのが安田隆行 元調教師でした。無敗で皐月賞馬に輝いた後からテレビの密着取材を受け、ダービーならではの感動シーンも撮影されたとか。
騎手引退後、調教師となり構えた厩舎で調教助手を務めたのは、今年の皐月賞を勝ったミュージアムマイルを管理する高柳大輔調教師。安田厩舎時代、どんな人だったのでしょうか。そして、ダービージョッキー・安田氏が挙げる今年の注目馬は?
(取材・構成:大恵陽子)
「大外枠は今考えると最高の枠でした」トウカイテイオーでのダービー制覇
──トウカイテイオーとはデビューからずっとコンビを組んでいました。最初の頃はどんな印象の馬でしたか?
安田 デビュー前から走る馬だったんですよ。調教でもすごく乗りやすくて、ジョッキーの意のままに動かせたし、引っ掛かることも全くなくてすごくお利口さんでした。
──最初から期待の高かった馬なんですね。
安田 そうなんですけど、まだクラシックまでは考えていませんでした。新馬戦は勝てるだろう、というくらいで。その後、ポンポンと連勝して、「皐月賞も面白いな」という感じになってきて、ダービー前には「いけるな」と。
──ダービーを前にして確信を持っていたんですか。
安田 あの世代でトウカイテイオーは力が抜けていましたからね。
──当時はフルゲートの頭数がいまよりも多くて、大外の20番枠に