スマートフォン版へ

netkeiba

4角で「これはきたな」 エコロクラージュと制した福永洋一記念を徹底回顧

  • 2025年05月27日(火) 18時01分
太論

▲エコロクラージュと制した福永洋一記念を回顧!(撮影:稲葉訓也)


先週は、通常の園田開催で3勝をマークしたのち、日曜日は高知の交流重賞・福永洋一記念に参戦。パートナーは、昨年10月の兵庫ゴールドCを制したエコロクラージュ。

3番人気という評価でしたが、直線は外から先行馬たちを一気に差し切り、見事重賞4勝目を挙げました(小牧騎手の手綱では2勝目)。今回の『太論』では、その福永洋一記念をじっくり回顧。ファンからの質問に答える形で「東京芝2400m」の攻略法も!

(取材・構成=不破由妃子)

福永洋一記念をエコロクラージュで制覇!「うれしい1勝やった」


──5月25日に高知で行われた第16回福永洋一記念をエコロクラージュで制覇。おめでとうございます!

小牧 ありがとう。地方の馬同士やったら、やっぱり強いね。

──福永洋一記念といえば、去年までは高知所属限定の重賞でしたが、今年からは全国交流になって。

小牧 そうそう。だから、兵庫からも僕の馬を含めて3頭、船橋からもサンテックスがきていたからね。

──サンテックスは中央時代に4勝を挙げて、オープンでも2着がある馬。近年は高知所属馬のレベルも高いことを考えると、けっこうメンバーが揃った一戦だった。

小牧 うん。全国交流になって賞金も上がったし、いいときに勝たせてもらいました。

──さて、レースですが、道中は中団の内。3コーナーから先行集団を捕まえに行って、4コーナーでは「これはきたな」という手応えで。

太論

▲4角で「これはきたな」(撮影:稲葉訓也)


小牧 もうちょっとすんなり前に行こうと思っていたんやけど、ちょっとハミに当たって出遅れてしまってね。だから、3コーナーまでは内でジッとしていました。そこからスピードに乗せていって、4コーナーも手応え十分。直線も手応え通りにしっかり伸びてくれたわ。しかし、すごい馬場やったで。

──高知は日本一砂が深いそうですね。しかも、日曜日は不良馬場で。

小牧 なんせ前の日の8R以降は、馬場が悪すぎて中止になったくらいやから。洋一記念もダート板を3枚付けて乗って、最後は外に出せたからよかったものの、それでも2枚は外したよ。園田とは全然違う馬場なのに、よう勝ってくれたわ。

──エコロクラージュにとって、マイルは初めてだったんですよね?

小牧 1600mは初めて走ったけど、1400mも1700mも走っているし、実際1700mと変わらんから。いい勝ち方をしてくれたけど、もっと強いメンバーが相手なら、やっぱり1200mのほうがいい競馬ができそうやね。とにかく今回はうれしい1勝やった。洋一さんとも何度かお会いしたことがあるし、協賛している祐一くんとは、ずっと一緒に乗っていたわけやから。連絡はしていないんやけど、喜んでくれてるといいな。

──さて、福永洋一記念の約2時間半前には、51歳のシュタルケ騎手がオークスを制覇。西で東でいぶし銀の技が光った一日だったなと思って。

小牧 東の51歳は、彼女と熱いキスをしてましたやん(笑)。

──素敵な写真が掲載されていましたね。ていうか、第一声がそこ(笑)。

小牧 だって、いろんな新聞で見たから(笑)。まぁオークスは(岩田)望来も上手いこと乗っただけに、かわいそうやったけどなぁ…。シュタルケって派手さはないけど、やっぱ上手やねんな。1回だけやけど、ご飯を食べに行ったことがあるよ。紳士的で優しくて、ガツガツしていないイメージ。まぁ年齢を重ねただけの余裕があるよね。

太論

▲東京ではシュタルケ騎手がオークスを勝利(撮影:下野雄規)


──ところで、日曜日の夜は高知を満喫したんですか?

小牧 うん、家族旅行の延長やったから、家族水入らずで過ごしましたわ。本当は別の場所へ旅行に行く予定やったんやけど、急きょこのレースの騎乗が入ったから、当初の旅行はキャンセルして高知に切り替えて。だから、洋一記念は久々にひかりがバレットをしてくれてん。

──そうでしたか! 最大の勝因はひかりちゃんだ(笑)。

小牧 1レースだけやけど、ドロドロの道具を手入れしてもらってね。弟の毅たちも高知にきていたから、みんなでひろめ市場に行って、中央市場に行って。鰹のタタキも食べたし、とにかくよう飲んだ(笑)。

──最後になりますが、今週はいよいよダービー。ファンの方から「小牧騎手のダービーといえば、スマイルジャック(2008年2着)での完璧な騎乗が忘れられません。それ以外にもダービーには何度も騎乗されていると思いますが、小牧騎手が思う東京芝2400mの攻略法があれば教えてください!」というリクエストがきています。

小牧 やっぱり1、2コーナーはある程度みんなハミを取って行くから、そこで辛抱させなアカンのは当然やけど、同じくらい大事なのは、3、4コーナーをいかに抜いて乗れるかやと思う。そこで息を抜いて折り合いを付けていかんことには、直線は伸びない。なかなか難しいことなんやけど、それが完璧にできたからこそ、短距離馬のスマイルジャックが直線であれだけ伸びたんですわ。

(文中敬称略)
質問募集
太論 / 小牧太
このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。あなたから
コラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
質問フォームへ

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング