例年よりも開催時期が早まった函館記念
今週から福島、小倉の開催がスタート。その開幕週に行われる重賞がラジオNIKKEI賞。昨年は最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップを踏んだオフトレイルが1着。トラック有利の調教適性を想定していたのですが、開催通すと、坂路もトラックも五分のような調教適性。4週開催だと、どこで調教適性の舵を切っていくのか、すごく難しい部分はありますが、それが嵌れば高配当も期待できる舞台ですから、なんとか頑張ります。
そして、函館競馬場では函館記念。例年と違い、前哨戦の巴賞がないところがポイントになりそうですが、2週目の芝中長距離でちょっと傾向を掴めたかもしれません。これを反映させて、ウマい馬券でしっかり予想を組み立てたいと思います。
【函館記念/ハヤテノフクノスケ】
天皇賞(春)はさすがに力関係と距離で足りない部分があったのかもしれません。その後はすぐにここを目標にして調整。栗東へは入厩せず、牧場から直接函館競馬場へ入厩しています。このパターンは1勝クラスを勝った時と同じ。
ただ、当時はレース2週前の日曜日から函館で追い切りを開始しましたが、今回は1週前の金曜日から函館で追い切り。当時とはレース間隔が違うだけに中7週ならこれで十分なのかもしれません。ただし、今の函館は早目に競馬場で追い切りを開始した方が良い結果が出ているだけに、そことの兼ね合いはありそうです。
【函館記念/アルナシーム】
3勝クラスを勝ったばかりの身で出走した、2023年の函館記念。結果は6着でしたが、決して悪くない内容だったように思います。この時は中3週のローテーションでしたが、早目に函館競馬場へ入っての調整でした。
今回も6月11日には函館Wで追い切りを開始。その後、週中週末と順調に追い切りを消化して、1週前追い切りの函館芝では単走でしたが、力強さと集中力を感じさせる走りで5F63秒台と速い時計をマーク。2023年の1週前追いよりも時計的には速くなっているので、負荷としても評価できる内容だと思います。
【函館記念/ヴェローチェエラ】
1勝クラスから3連勝でオープン入りも重賞とOPでは馬券圏内に入ることができず。ここで距離を芝2000mにして、1勝クラスを勝った北海道シリーズに参戦してきました。この時が牧場から直接函館競馬場へ入っていますが、20日前から函館で追い切りを開始しています。
それに対して、今回は6月22日と25日に函館Wで5Fの追い切りを消化したのみ。決して、追い切り本数が多くて好走してきた馬というわけでもないのですが、標準の追い切り本数を消化して結果を出してきているだけに、今回はさすがに追い切り本数自体が少ない印象は拭えません。
【ラジオNIKKEI賞/バズアップビート】
プリンシパルSは不運な落馬でしたが、白百合Sできっちりと自分の力を発揮しての3着でした。中3週でここへの出走ですが、中間の追い切り本数は豊富。これは友道康夫厩舎のVSOP(非常に優良な追い切りパターン)として評価できる内容となっています。
1週前追い切りのCWでの3頭併せでは、今までの中で一番手応え良く動くことができていた印象でしたし、最終追い切りは坂路。前走のDPから変化していますが、3歳未勝利を勝った時が坂路での最終追いなので問題ないでしょう。

中3週でも豊富な追い切り本数を消化したバズアップビート(写真左、6月18日撮影)
【ラジオNIKKEI賞/センツブラッド】
京成杯8着の後は中山の自己条件で勝ち上がり、前走白百合Sは2着。少しレース間隔をあけながら使っていたことを考えると、今回は中3週と少し間隔が詰まります。そういったこともあってか、1週前追い切りのCWは時計的にさほど強い負荷ではありません。ただ、しっかりと併せ馬を消化しているので、適度な負荷というのが適当な表現に思えます。
最終追い切りはDP。雨の影響を受けた馬場のこともあったと思いますが、あまりやりすぎたくないという斉藤崇史調教師の意図もあってのこと。私のストップウォッチで計測した5Fが68.9秒。ラスト1Fは11.1秒ということで、予定通りの負荷。最終追いDPは初めてですが、最近の斉藤厩舎の傾向としてはこれをマイナスに考えることはありません。

1週前追い切りでは適度な負荷をかけていたセンツブラッド(6月24日撮影)
◆注目の新馬戦
・6/21 2歳新馬【シーズザスローン】(4人/3着) 将来有望調教該当<2頭>
1着馬は将来有望調教に該当していない、単勝1.6倍。こちらには完敗してしまいましたが、メンバー2位の上がりを使って3着は決して悪くないレース内容でしょう。勝つことはできませんでしたが、2戦目以降の楽しみな馬です。
◆開催おすすめの調教適性
<福島芝1800m>
◎1週前追い切り以降トラックW馬場でラスト3F37.5秒以下かつ最速ラップ
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
例年は開幕週がトラック有利、馬場が傷んできて、坂路有利の調教傾向となっていましたが、昨年は開幕週から坂路もしっかり結果を残しています。開催が始まってみないと、どちらが有利なのか分かりにくいところもありますが、調教適性としては二本柱であることは間違いありません。