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【小倉記念・函館2歳S予想】今週は小倉・函館の2場で重賞が開催! 有力馬たちの調教内容をジャッジ

  • 2025年07月16日(水) 18時00分

人気が予想されるメリオーレムの調教内容は?


 先週のウマい馬券。なかなかスマッシュヒットがなくて、13日の小倉7Rでは16頭立ての13頭に印を打っているのに、無印だったマキシマムビスタが4馬身差の圧勝。最終追い切りがDPでしたが、調教適性ではなかなかピックアップすることが難しい馬場。ただ、センツブラッドがラジオNIKKEI賞に出走した時、競馬予想TV!出演時にも話ましたが、斉藤崇史調教師は確実にDP追い切りにおける結果の出し方を確立しつつあります。

「夏場だから」と普段は坂路やCWで追い切るところをDPにするケースもありますが、それは決して好走に繋がるとは言えません。DPの調教馬場の特性、これをしっかりと把握した上で利用することが馬のパフォーマンスを上げることになります。マキシマムビスタは今年3月に最終追いをDPに切り替えて未勝利を脱出。その後2戦は6着が続きましたが、今回が1着。この中にDP追いの変化があったので、斉藤厩舎のVSOP(非常に優良な追い切りパターン)に認定することにしました。詳しい説明はこのパターンで本命にする機会があった時、ウマい馬券に明記したいと思います。

 ちなみに小倉の最終レースを勝ったドナウパールは「新VSOP」にも該当していなかったのですが、トラックのダブル最速に該当していたので、注は打てました。◎アウクソーが2着の好走で複勝と馬連、3連複を的中。久しぶりにスマッシュヒットでした。

【函館2歳S/カイショー】

 デビュー戦の前走は栗東でしっかりと乗り込んでから函館競馬場へ移動。現地では軽く函館Wで追い切って、最終追い切りは函館芝。併せ馬でしたが、4コーナーから最後の直線に向くところで他厩舎の2頭が間にいたので、最終的にはそれと併せるような形でしたが、動きには余裕があって、レース結果も1着でした。

 今回は1週前追い切りが函館芝。単走でしたが、今回は最後の直線に向いたところで3頭併せがいたので、それの外を回る形。直線に向いてからの加速力は前走以上に感じます。中4週のレース間隔で最終追い切りを除くと1週前追い切りくらいしか強い負荷はありませんが、現地でしっかり調整できていることでしょう。ただ、1Fの距離延長は実際にやってみないと分かりません。

【函館2歳S/ブラックチャリス】

 新馬戦は2着に3馬身差をつける完勝。しかもレコード勝ちという圧倒的な強さを見せつけました。2着馬はすぐに未勝利を勝ち上がっており、あらためて本馬の強さを際立たせる結果となっています。栗東で追い切りを消化してからの函館競馬場移動でしたが、栗東でも現地でもさほど強い負荷をかけずに結果を出しています。

 今回も追い切り自体はさほど強い負荷はありません。ただ、1週前追い切りの函館Wでの併せ馬の動きを見ていても、小回りでもスピードある動きでタイトに捌ける器用さがあり、機敏な動き。それでいて、ゆったりした走りの部分もあり、この動きを見ていると、スピード決着で見劣ることはまずないだろうなという感じはあります。

【小倉記念/メリオーレム】

 前走後はここを目標に調整。夏の小倉は昨年2勝クラスを勝っており、全く心配ありません。距離に関しても前走東京芝1800mで結果を出していますし、速い時計の決着にも対応できたという意味では、ここに向けて収穫ある内容だったと思います。

 中6週の今回は1週前追い切りをCWでの3頭併せ。最後方から追走してゴールで追いつけなかった事実はありますが、手応えには余裕がありましたし、調子うんぬんではない遅れ。前半から遅いペースだったので、俊敏に反応できないというキャラクターが出た遅れだと思います。最終追い切りは坂路で4F53.7秒で4F目11.9秒の最速ラップ。調教内容から減点するようなところは一切ありません。

調教Gメン研究所

調教内容から減点するようなところはなかったメリオーレム(7月15日撮影)


【小倉記念/ハピ】

 ここまでダート実績があって、昨年は大阪-ハンブルクCと天皇賞(春)で芝にチャレンジ。結果は出ていませんでしたが、前走で重賞3着と芝で結果を出しました。それだけに今回も人気を集めることになりそうですが、個人的には新潟大賞典のレースレベルはどうだったんだろうという素朴な疑問は持っています。

 調教内容に関しては、レース間隔はあきましたが、しっかりと追い切りを消化。1週前追い切りはCWで併せ馬を追走して先着しています。最終追い切りは坂路で4F52.5秒の4F目12.2秒で最速ラップ。順調に仕上げてきたという感じです。

調教Gメン研究所

仕上がりは順調そうなハピ(7月8日撮影)


【小倉記念/ディープモンスター】

 金鯱賞、エプソムC、目黒記念の中でエプソムCを凡走と判断すれば、これは中7週で4本しか追い切りがなかったことが敗因のひとつだと思います。当時もCWでの1週前追い切りは動いていましたが、本数が重要なタイプであると考えています。

 そういった意味では今回の追い切り本数は標準。1週前追い切りのCWでの併せ馬はしっかりと動きましたし、時計も速い内容。昨年の小倉記念に似た内容だと思いますが、最終追い切りは当時の坂路ではなく、近走と同じCWでした。6F85.5秒でラスト1Fが最速になるラップ。これは前走とほぼ同じですから、状態に気になるところはありません。

調教Gメン研究所

状態に気になるところはないディープモンスター(7月15日撮影)


◆注目の新馬戦

・7/5 2歳新馬【チェルヴァーラ】(1人/3着) 将来有望調教該当<2頭>

 単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたことを思えば、物足りない結果ということになりますが、後半6Fのレースラップがゴールへ向かって加速する中、追いつかなかったというのが正直なところでしょう。これだけで将来性がないと判断することはなく、次の変わり身に期待したいところです。

◆開催おすすめの調教適性

<小倉芝2000m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りがCW3F37.9秒以下かつラスト1F11.5秒以下
○最終追い切りが坂路馬場で3F目以降12.9秒以下

 先週の西部スポニチ賞を勝った単勝12.3倍(8番人気)は最終追い切りが栗東坂路で3F目以降が12.6秒、12.5秒の4F目最速ラップでした。CWの調教適性に関しては、これまで追い切り内のどこかでしたが、該当馬を絞る目的と今開催は最終追いでの好走が目立つことから上記の通り、設定条件を厳しくしています。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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