
▲高田潤騎手と小牧加矢太騎手の対談第3回(撮影:下野雄規)
2025年の障害リーディングを独走する高田潤騎手をゲストに迎えてお送りしている「加矢太論」夏の特別対談企画。第3回の今回は、2人のワンツー決着となった6月の東京ジャンプSについての話題に。
見どころが多かった一戦の回顧をお願いすると、高田騎手の「加矢太の前では言いたくないんですよねぇ」というまさかの一言からスタート。あまりいい状態ではなかったというジューンベロシティですが、鞍上の高田騎手の手綱捌きで見事勝利を収めました。そんな「全てが思った通りにいったレース」をスタートから徹底解説します。
前回はこちら▼
【高田潤×小牧加矢太】馬に障害物の裏側を見せるワケ──騎手によって異なるスクーリングメニュー/第2回(取材・構成=不破由妃子)
アドバイスを聞いた翌日の勝利に「俺、さすが(笑)」
──6月14日に行われた東京ジャンプS(J・GIII)では、潤さん騎乗のジューンベロシティが1番人気、加矢太さん騎乗のサイードが2番人気で、結果は3着以下を大きく引き離しての人気通りのワンツー。非常に見どころのあるレースだったので、ぜひおふたりにレース中の心境などを回顧していただきたいなと思いまして。

▲ワンツー決着となった東京JS(撮影:下野雄規)
高田 東京かぁ…。あんまり言いたくないんですよねぇ、加矢太の前では。
──なぜですか?
高田 今年の3月だったかな、「中山の乗り方を教えてください」ってレース前日に言われたことがあって。加矢太は馬を作る技術や調教の技術は高いですけど、レースの経験数が足りない。各競馬場によって乗り方も勝負どころも全然違うから、どんなに技術があっても勝たせ方を知らなければ勝てないのが競馬であり、そのあたりがまだ全然足りないなと思って見ていたので、「中山の乗り方を教えてください」と言われたときに「こういうことを意識して、こういうふうに乗ったらいいよ」って教えたんです。そうしたら…。