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【スプリンターズS予想】近年の傾向は“逃げ先行”と“内枠” 脚質を考慮した各馬の評価は?

  • 2025年09月26日(金) 18時00分

枠順も重要なポイント


 ここ数年のスプリンターズSは、逃げ先行馬と内枠馬が強い。外枠から差しに回るとかなり厳しい。今年は脚質のはっきりした馬が多いので、予想はある程度しやすいかと思う。

 人気はサトノレーヴだろう。香港やアスコットでも崩れないあたり、地力は間違いのないところ。昨年は馬場傾向に敗れた印象だ。もともとは好位の競馬をしていた馬だけに、7番枠からどういう競馬をするか。溜めていくようだと昨年の二の舞もある。

 ナムラクレアはGIになると勝ち切れない。脚質的に外枠を引いたらさらに厳しいところだったが、6番枠なら勝負権はある。イン差しでスペースがあるかどうかはやってみないと分からないが、必ず伸びてくる馬ではあるのでシルシを回す必要はあると考える。

 ママコチャは一度勝っているわけだし、力量的にも衰えてはいない。位置さえ取れれば再度の戴冠も考えられる。前走のセントウルSは1、3着馬が差しだった一方でよく2着に粘った。今回も同じ競馬でよいと思う。好枠を生かしたい。

 逆に、セントウルSの1、3着馬は、同じことを再現できるか。昨年トウシンマカオが2着したときは2番枠、今年は11番枠だ。カンチェンジュンガのほうは今回5番枠だが、この馬の脚質だといったん引いて外になりそう。展開のサポートがないとイメージより厳しい競馬になる予感がする。

 ルガルは昨年の勝ち馬だが、当時は13番枠から迷わず前付けしたことが結果に繋がった。このレースの外枠馬がとるべき見本のようなレースだったかと思う。川田騎手のテン乗りだったチェアマンズスプリントプライズはイン差しで悪くない内容だったが、今回は15番枠。どういう戦略で来るか。

 ジューンブレアはまだGIIIで2着2回なので実績としては足りない面はあるが、先行できることと中山と相性の良い点はかなり強調できる。ただ13番枠は正直痛い。外のウインカーネリアンに対して突っ張り、ピューロマジックを行かせて第2先行のような形を作れればチャンスがあると思う。

 そのピューロマジックは昨年のこのレースで2ハロン目に9.9秒を出してしまい、自分のスピードに負けた形。1番枠で出していかざるをえないし結局今回も抑えはきかないのかもしれないが、アイビスSDの経験が生きてきた場合は怖い存在だ。

 香港のラッキースワイネスは正直なところ全盛期より少し落ちている印象。カーインライジングが伸びてきて押し出されただけでなく、それ以上に奮わなくなっている。ただ香港スプリント界のレベルが高いことは明らかなので、あまりに人気がない場合は△を付けてもよいかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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