【凱旋門賞など】世界と肩を並べるところまできた日本競馬 前哨戦はいずれも価値あるものに
毎日王冠は唯一の世代に注目
今年のダービー馬クロワデュノールがいよいよ凱旋門賞に出走するときがきた。日本ダービーを勝ったその年にヨーロッパに向かったことで、シリウスシンボリを思い出していたら、その初戦が9月のロンシャンのプランスドランジュ賞で、この前哨戦を勝ってくれたことで、俄然、期待が大きくなっている。
実は、その40年前にシリウスシンボリもこの重賞を戦っていたのだ。たまたま新聞社主催のヨーロッパツアーに参加していて、その日の午後は自由時間となっていたのだが、折角パリに来たのだから郊外のブローニュの森にあるロンシャン競馬場へと、ツアーの中の希望者を募ってタクシーで行ったのだった。
そして、その日にプランスドランジュ賞があり、出走馬6頭の中に、春日本ダービーを一番人気で勝っていたシリウスシンボリが出ていたのだった。慣れないロンシャンの風景の中でポツンとパドックにたたずむ姿に、26頭立ての日本ダービーを圧勝した他を威圧する雰囲気はなく、寂しげに映っていた。
もちろん単勝を買って観戦したのだが、一頭もかわすことなくしんがりに負けていた。シリウスシンボリが凱旋門賞に挑戦したのは翌年で、同じロンシャンのフォア賞で2着して臨んだが、14着に終わっていた。シンボリルドルフの次の世代で、二冠馬ミホシンザンと同期だったが、ヨーロッパには2年間滞在して14戦している。
それから40年、日本の競馬も世界で肩を並べるところまできたと言える。
なにしろ今年は3頭が出走してきてその3頭とも前哨戦を勝っているのだ。
ビザンチンドリームは天皇賞(春)2着馬で、9月のロンシャン2400米フォア賞を勝っているし、アロヒアリイは今年の皐月賞は8着だったが、ヨーロッパの重い馬場の適性を見込んで渡仏し、ドーヴィル2000米のギヨームドルナノ賞で価値のある勝利をつかんでいる。
日本馬3頭が戦った前哨戦はいずれも馬場は重く、タフさが求められるレースだったところに価値があると言えた。
特にダービー馬クロワデュノールは、皐月賞2着からひと叩きされてぐんと良くなったように、今回もこのケースにあてはまるのがいい。
ヴェルメイユ賞を勝った昨年の2着馬アヴァンチュール、アイルランドの名門A.オブライエンきゅう舎の英・愛・ヨークシャーオークスとG1・3連勝ミニーホークといった牝馬勢を相手に日本馬の朗報を待ちたい。
国内の毎日王冠、京都大賞典は、天皇賞(秋)やジャパンCを見すえたステップになるが、毎日王冠はこの6年、1頭も出てなかった3年前をのぞき、全て3歳馬が勝っている。唯一の3歳馬サトノシャイニングの粘りを中心にしたい。
京都大賞典は広い外回りコースで持続する脚力がもとめられる。しまい確実に伸びてくるサブマリーナは京都での成績が5戦3勝でよく、これと一昨年の菊花賞馬ドゥレッツァの実力を信じたい。
「待っている 夢の舞台で 咲く花を」