
▲ビザンチンドリームの凱旋門賞挑戦を振り返る(提供:坂口智康調教師)
今年の凱旋門賞は日本馬3頭がみな前哨戦を勝って挑み、いつになく悲願成就への機運が高まった年でした。残念ながら勝利はなりませんでしたが、日本馬最先着を果たしたのは5着ビザンチンドリーム。昨年の日本ダービーの頃は「馬依存症」と担当の久保潤一郎調教助手が表現するほど極度の寂しがり屋でしたが、堂々たるレースを見せました。
管理する坂口智康調教師は調教助手時代の2016年、エイシンヒカリでイスパーン賞を制覇して以来のフランス遠征。今回の遠征で何を感じたのでしょうか。
(取材・構成:大恵陽子)
「一瞬、来るかなと」期待を持った直線
──凱旋門賞お疲れ様でした。オイシン・マーフィー騎手がインにこだわるレースをしました。
坂口 当日はオープンストレッチが内から3〜4頭分くらいはいいな、という感じで、ジョッキーもそれを把握していてああいう形になりました。雨は返し馬に行ってからまた急に降り出して、それによって多少、馬場も湿ったとは思います。
──直線は突き抜けるのでは、と感じる手応え。坂口調教師も見ていて興奮したのでは!?
坂口 一瞬、来るかなと思いました。でも、上位2頭は強かったです。あとは1つでも上の着順に、と思って見ていました

▲「一瞬、来るかなと思いました」(撮影:高橋正和)
──激闘の後、馬の様子はどうでしたか?
坂口 レース直後は結構走りきった雰囲気で、ちょっと疲れているのかなと思いましたけど、翌日に厩舎に行くと普通に元気にしていて、意外と大丈夫だったのかなと思います。
──現場では「日本馬で勝つならビザンチンドリームでは」という声がよく聞かれました。その声は届いていましたか?