【天皇賞(秋)予想】主導権を握るのはメイショウタバル? 後続のペース判断が明暗分ける
レース展開次第で“挑戦者”となるのは…
まず、最初の見どころは、メイショウタバル(武豊騎手)が行くのか、ホウオウビスケッツ(岩田康誠騎手)が行くのか。2頭ともにスローの展開になればバテないが、東京の長い直線でスローからの切れ味勝負になっては有利ではないことは承知。
予想以上に人気の武豊騎手のメイショウタバルが主導権を握る可能性が大きい。5歳ホウオウビスケッツは3走前の「大阪杯」のように2番手追走の形も取れる。勝つためにはメイショウタバルのあまりペースを落とさない先手主張が想像される。
後続はそのペースを判断しながら、どの位置から、どこで動くかが明暗を分けることになる。「秋華賞」、「菊花賞」を振り返ると、差すマスカレードボール(C.ルメール騎手)のライバルを射程に入れたペース判断はさえわたっている。おそらく中団を確保して進むはずのC.ルメール騎手には、自身でレースを作る必要がない。レース展開の面では挑戦者の立場を取れる。
1番人気になるはずのマスカレードボールは、菊花賞のエネルジコと同じC.ルメール騎手が乗る、同じドゥラメンテ産駒。2週前の秋華賞からルメール騎手の3週連続GI制覇も十分にある。最近10年、天皇賞(秋)の1番人気馬は[7-1-0-2]だ。
天皇賞(秋)が2000mになった1984年以降、その年の日本ダービー2着の3歳馬は[3-2-1-0]。不思議な好成績を残している。
Cルメール騎手は先週の菊花賞[5-2-1-2]となったが、天皇賞(秋)も2018〜20年の3連勝を含み通算[5-1-2-7]。武豊騎手の最多勝記録[7-1-4-21]に近づいている。
有利ではない右回りの皐月賞を1分57秒3だったマスカレードボール(父ドゥラメンテ)と、ほとんど同血にも近い姉マスクトディーヴァ(父ルーラーシップ)は、芝1800mのJRAレコード1分43秒0を保持している。マスカレードボールに高速決着の東京2000mはベストに近いと思える。
実力接近のライバルは多い。オッズを確認しながら、人気の盲点になっているジャスティンパレス、昨年好内容で2着のタスティエーラ、爆発力を秘めるタフな牝馬シランケドが相手本線。平凡な追い切りで人気落ちのミュージアムマイル(C.デムーロ騎手)の評価下げは危険だ。