条件にあう馬は一頭のみ?
ハンデ戦においてはハンデが重い馬を買ったほうがよい、前走から斤量が増える馬を買ったほうが実はよい、という話を筆者はたびたび書いてきた。
しかし、アルゼンチン共和国杯はちょっと違う傾向にある。今回は過去10年を対象とするのでその間に基礎重量の+1キロが行われているが、「前走と今回の比較」ということだと10カ月以上の休み明けでない限りその影響を受けることはないので、今回はそこに関わる調整はせずにいく。
まず、過去10年のアルゼンチン共和国杯に出走し、前走もオープンに出走していた馬を斤量増減別に見るとこうなる。
今回増の組には1〜3番人気の馬が8頭いたのだが、それにしては成績が物足りない。前走を勝ってハンデが上がった馬ももともと持ちハンデが重い馬もいるが、いずれにしても好走例が少ないので「良いパターン」を見出すことができない。
一方で、通常のハンデ戦では成績が良くないことの多い今回減の組が健闘している。複勝率では増減無し組を上回っている。
今回減というと考えられるのは「前走もハンデ戦で、苦戦が続いて今回持ちハンデが下がった」というケースや、「前走が別定や定量で、持ちハンデがそれより低い」というケースである(もちろんそれ以外のケースもある)。
前者は今回の調査対象だと[0-1-0-7]で、今回減全体より複勝率は低い(12.5%)。この馬たちを除いたうえで前走クラス別の成績を見ると、前走オープン特別・リステッドは[0-1-0-15]で苦戦。GIII組は該当馬なし。GII組は[1-2-1-20]で複勝率16.7%。GI組が[3-1-1-5]と複勝率50%を示している。確かにGIの斤量より持ちハンデが軽い馬はいそうだ。
ただ、今回は前走GIに出走していた馬がローシャムパークしかおらず、同馬は今回増(58キロ→59.5キロ)。そうなると、前走GII組から探すしかない。
今回減かつ前走GIIという組は前走が9着以内だと[1-2-1-12]で10着以下は[0-0-0-8]。だいぶ話がややこしくなってきたが、「今回減・前走GII・前走9着以内」の条件に合う登録馬はディマイザキッドだけとなる。
週末までになにがあるか分からないので1頭のみに着地する話はふだん避けているのだが、今回は1頭しか残らなかったので仕方ない。無事に出走し、できれば好走してくれることを祈りたい。