京阪杯は馬券的に面白そう
今週はいよいよジャパンカップ。クロワデュノールの参戦も決まり、三世代のダービー馬が揃うという豪華メンバー。私自身はウインズ米子での仕事があるため、現地観戦できませんが、当日の入場券を確保されている方、現地の熱狂をぜひ楽しんできてください。
馬券的に面白そうなのは同日の京阪杯。netkeibaの予想オッズはルガルが1番人気ですが、昨年のスプリンターズSを勝って以降の着順は11着、7着、5着、12着。すべてGIであり、香港も2戦あると思えば、シルクロードS以来の京都で復権といったところでしょうか。これに続いているのが、3歳牝馬のナムラクララということで、個人的には調教適性を最重視して狙ってみたいレースです。
【京都2歳S/バルセシート】
レシステンシアの半弟ということで、デビュー戦はマイル。ただ、競馬内容は姉と違って、差す競馬でメンバー最速上がりをマーク。それを経ての距離延長なら納得という感じはします。
2週前追い切りがCWでC.デムーロ騎手が騎乗。3頭併せを最後方から追走して同入、時計は6F84.6秒と数字は平凡でしたが、内容は良かったと思いますし、1週前追い切りはCWで6F80.7秒。これはしっかり動いており、最終追い切りは坂路で4F目最速ラップは前走と同じです。

1週前追い切りでしっかり動けていたバルセシート(11月18日撮影)
【ジャパンC/クロワデュノール】
凱旋門賞帰り、これが調整に影響しているように思う方がたくさんいると思いますが、斉藤崇史調教師とお話させていただくと、私自身はそうは感じません。ただ、走りのフットワークは少し窮屈さを感じるというか、良かった時のダイナミックさがないのかなという気はします。
ただ、これに関しては最終追い切りのCWでかなり改善されました。C.デムーロ騎手が騎乗したことにより、向正面を走っている時点からいつでも動ける態勢を整えていて、それが噛み合って、4コーナーでは外を回りながらも最後の直線でスムーズに加速できた印象。師も同じ感想を持っていて、出走を決めたというところがありますから、これなら評価しないわけにはいきません。

最終追い切りの内容からは評価しないわけにはいかないクロワデュノール(写真左、11月26日撮影)
【ジャパンC/ダノンデサイル】
前走の英インターナショナルSの敗戦。このダメージを心配される方もいるでしょうが、安田翔伍調教師のコメントが報道されているように、むしろ調整がしやすかったという今回。だからこそ、栗東での追い切りもしっかりと強い負荷を消化しているという現状です。
1週前追い切りのCWでは戸崎圭太騎手が跨って3頭併せ。ここでへとへとになるくらいの負荷を掛けたかったということで、思った通りの調整になったようです。それがあっての最終追い切り。ダノンデサイルに騎乗していた師も「こんなに速い時計が出ていると思わなかった」とのことですが、見ているこちらもそんなに速いとは思いませんでした。6F81.3秒はともかく、3F35.3秒が素晴らしく速かったと思います。
この中間の調整は急上昇というよりも、もともと高いレベルからスタートして、追い切るごとに着実に上昇している。その最終形が最終追い切りの動きなのでしょう。

追い切るごとに着実に上昇しているダノンデサイル(11月26日撮影)
【ジャパンC/アドマイヤテラ】
京都大賞典は1番人気4着という結果でしたが、初めての58キロや休み明けといった状況があったと思います。今回のレース間隔は目黒記念を勝った時に近いですし、調整自体も順調です。
2週前追い切りのCWでは3頭併せの先頭で最先着、1週前追い切りのCWでは川田将雅騎手が跨り、2歳未勝利を追走してきっちり先着する動きを見せました。最終追い切りの坂路ではヨーホーレイクに先行して遅れ、手応え的にも見劣っただけにどうかなと思ってしまいますが、これは攻め走るヨーホーレイクとのキャラの差もあります。体調自体は問題ないと思いますし、友道康夫調教師は「左回りは合う」と楽しみにしています。

調整自体は順調なアドマイヤテラ(11月26日撮影)
【京阪杯/ナムラクララ】
実績としては3勝クラスを勝ってオープン入りして、前走がリステッド2着。重賞では4着の実績がなくても、ここで人気するのはナムラクレアの半妹ということもあるかもしれませんし、3歳馬というところも関係しているかもしれません。
レース間隔はあきましたが、坂路での追い切り本数はきっちり消化。1週前追い切りは坂路で古馬1勝クラスを追走して先着。4F53.7秒は前走時の52.8秒よりは少し遅いので、ここはちょっと気になりますが、順調な印象はあります。
◆注目の2歳戦
・11/24 東京スポーツ杯2歳S【サレジオ】(6人/6着) 将来有望調教該当<4頭>
馬体重は24キロ増。モニターで確認したパドックの様子だと、少しのんびり歩いているように思えたので、ちょっと重さはあったのかなと思います。最後の直線に向いた時は勝ち負けと思いましたが、最後に伸び切れなかったのはキャラクターなのか、休み明けなのか、判断の難しいところ。ただ、このまま重賞で通用しないような馬ではないはず。
◆開催おすすめの調教適性
<京都芝1200m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りが坂路馬場で1F目13.9秒以下
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
ちなみに昨年の京阪杯は1着3着が◎最速で2着が○。最終追い切りが栗東坂路で11.9秒、12.1秒で最速ラップは踏めなかったものの、2F24.0秒は11番人気4着。重賞になると、2F時計の速さのポイントにはなるはずです。