
▲マイルCSを川田騎手が振り返る!(c)netkeiba
11月23日、京都競馬場で行われた第42回マイルCS。堂々とした走りで大観衆の前を駆け抜けたのは川田騎手とジャンタルマンタルのコンビでした。今年の春秋マイルGI連覇という偉業を達成した一戦を、前後編2回にわたってお届けします。
“最強マイル王”の姿を一目見ようと、霜月の淀に4万人を超える観衆が来場。鞍上の川田騎手は、春の安田記念では“苦労”をしての勝利だったと明かしていただけに、今回は「僕は何もする必要がなかった」と開口一番。そして、その前評判に違わぬ走りに沸くスタンドを横に、川田騎手が感情を爆発させていたのにはある理由があったといいます。その理由とは一体──。
(取材・構成=不破由妃子)
ジャンタルマンタルは「自分が王者なんだと自覚している」
──中央競馬史上初のマイルGI完全制覇、ジャンタルマンタルがやってくれましたね。本当に本当に強かった。
川田 ね、強いでしょ(笑)。パドックで跨って歩き出したとき、とても穏やかなのにトモの弾みがすごかったので、素晴らしい具合だということがすぐにわかりました。正直、その時点で、ゲートだけ無事に切ることができれば負けることはないなと思いました。その上で、パドックで跨ってからゲート裏まで、僕は何もする必要がなかった。すごいなぁと思いましたね。
──普段の川田さんなら、パドックで跨って以降、馬と細かいやり取りをしながら、動きや気持ちを作っていきますよね? 今回は、それらが必要なかったと?
川田 はい。とにかくすごく落ち着いてました。パドックで跨って、地下馬道を通って馬場入りしてキャンターに行っても、ひたすら穏やかなまま。
──ちょっと宥めたり、動きを修正したりすることもなく?

▲「何もする必要がなかった」というパドック(ユーザー提供:evangelionさん)
川田 まったくなかったです。返し馬も、キャンターに行こうかと思うだけでスッと走り出し、そろそろ止まろうかと思うだけでスーッと減速して、スッと止まった。その後、