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先週も6勝と好調! 小牧太騎手が語る勝利につながる「余力」の読み解き方

  • 2025年12月16日(火) 18時01分
太論

▲「余力」について小牧太騎手が語る(撮影:稲葉訓也)


先週も6勝をマークし、着々と勝ち星を積み上げている小牧騎手。今週の『太論』では、移籍2戦目で8馬身差の圧勝を決めたエムティエスターテ、破竹の5連勝中のワンダーブリングのレースを中心に振り返ります。

どちらの馬も「まだまだいける」と能力に太鼓判。はたしてどこまで連勝を伸ばすのか、今後もその走りに注目です!

(取材・構成=不破由妃子)

どんなに人気しても、中央で芝中心に走っていた馬は…


──先週も強い馬が現れましたね。12月9日の9R(C2一・ダ1400m)を勝ったエムティエスターテ。後続に8馬身差を付けての1分31秒0。目いっぱい追っていないことを思うと、これは強いなと思って。

小牧 園田初戦の前走は2着やったけど、前回は内に閉じ込められてしまってね。今回は前走とはまず馬が違ったし、ピリッとしてたわ。なんせ中央ではルメールやモレイラが乗って、2着や3着にきていた馬やから。過去のレース映像を見て、「なんで勝てないんかな」「一癖あるんかな」と思っていたんやけど、案の定、耳を絞ったりしてた。だから、勝てなかったんでしょう。叩いたら嫌がるしね。

──我の強いタイプということですか?

小牧 そうやね。でも、見ての通り、能力はある。当分チャンスが続きそうやね。

──また追いかけるべき1頭が増えました。翌日の10R(B2・ダ1400m)では、ワンダーブリングが5連勝。B2も一発クリアでしたね。

小牧 あの馬も走るねぇ。今回も着差以上に余裕だったよ。後ろからきたら、きたぶんだけ伸びる。

──なるほど。並び掛けられそうになってから再度グイっと伸びたのは、そういうことだったんですね。

小牧 そうそう。後ろがくればくるだけ伸びるねん。2つ3つ勝ったら中央に戻るんかなと思っていたら、もう5連勝やからね。クラスが上がってもまだまだ行けそうやし、僕としてはね、いつまででもいてくださいっていう感じなんやけど(笑)。この馬ね、攻め馬ではむっちゃ硬いんですわ。レースでの走りと全然違う。不思議なもんやね。

──実戦タイプということですか?

小牧 いや、実戦タイプというより、ダートではそういう馬が多いねん。よく硬い馬って言うでしょ? ダートではそういう馬のほうが走るのかもしれん。逆に、中央で芝を中心に使われていた420キロとか430キロの馬は、芝でそこそこ走っていたとしても、こっちではダメやね。やっぱり地方のダートは力がないとダメやわ。

──とはいえ、中央からの移籍初戦で鞍上が小牧さんとなると、絶対的に人気になる…。

小牧 なるねぇ。でも、人気だろうと中央で掲示板に載っていようと、芝が中心だった馬はホンマにわからんよ。12月の頭に勝ったコヒロは410キロ台の小さな馬やけど、中央でもダートしか走っていないからね。そういう馬は、いきなり地方の砂に対応してくる可能性のほうが高いけど。

──コヒロといえば、小牧さんの200勝目を飾った馬ですね。確かに小牧さんが大きく見えるほど小柄な馬ですが、力強いピッチ走法が印象に残りました。

小牧 そうでしょ? 体はギリギリやけど、もともと気が勝っている馬で、乗っていて力強いですもん。あの馬もまだまだ走ってきそうやで。

──では、最後に質問をひとつ。「小牧騎手は上位人気馬に乗ることが多いですが、そのなかでも『順当に勝てそうだな』とか、『人気だけど厳しいだろうな』とか、ご自身の評価があると思います。そういったご本人の読みは、どの程度当たるものですか?」。

小牧 ほとんど当たるんちゃうの。どんなに人気でも、無理なものは無理やなとわかるし、人気はなくても勝てるなと思う馬もいて、大抵その通りになる。先週も話したけど、12月3日に勝ったナナンは絶対に勝てると思ってた。でも、ファンの評価は3番人気(単勝5.1倍)やからね。

──ナナンの場合、持ち時計がなくて評価が下がった。

小牧 そうそう。だから、時計そのものを評価するのではなく、どういう内容でその時計を出したかが重要なんちゃうかな。ほとんど追わずに勝っているとしたら、当然時計はまだまだ詰まるからね。

──とくに小牧さんは、余力を残して勝たせているケースが多いから、ナナンのようなおいしいケースが出てくると。

小牧 おいしいかどうかわからんけど(苦笑)。地方の馬は間隔を詰めて使うケースが多いからね。いい馬に乗せてもらっているからこそ、できるだけ余力を残して勝たせてあげたいというのは常に意識しているかな。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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