前走人気に着目して考える
有馬記念は、気が付けば前走GI組が圧倒的に強いレースとなっている。過去10年だと前走GII以下だった馬は[1-0-0-31]。ゴールドアクターが勝った以外は全滅で、そのゴールドアクターももう10年前のこととなる。
前走国内GI組は[8-8-9-88]なのだが、勝った8頭には前走そのGIで3番人気以内だったという共通項がある。前走着順で見ると前走4着組から2頭、5着組から1頭勝ち馬が出ているので、前走着順より人気のほうが対象を絞りやすい。前走のGIの時点で上位人気になるような実績を積んでいる馬なら、そのレースで負けてきても有馬記念で復活Vを果たすことができるということだ。
ちなみに、海外G1から来て有馬記念を勝ったのは御存知の通り2019年のリスグラシューだが、同馬は前走のコックスプレートで単勝2.5倍の1番人気だった。オーストラリアにはTABのTote(日本と同じパリミュチュエル方式で、2.5倍はこの方式)、Fixed(時間帯によって変動する固定オッズでブックメーカーと同様)、さらにブックメーカー各社のオッズがあるが、2番人気ミスティックジャーニーが7.5倍、3番人気キャステルヴェキオが8.5倍だったので、なにをどうやってもリスグラシューが1番人気だったことは間違いない。
となると、直近9年の勝ち馬はすべて前走でGIの3番人気以内だったということになる。今回は登録馬中4頭が該当するが、ヘデントールは回避予定なので残りは3頭。そしてそのレガレイラ、ミュージアムマイル、ダノンデサイルはおそらく1〜3番人気になる馬で、「アタマから荒れる」というイメージは湧きにくい。
今年の有馬記念で好配当を目指すなら、3連単フォーメーションの2、3着部分を頑張るのがよさそうだ。仮に面白そうな穴馬を見つけたとしても、マルチだと先述の3頭でも、見つけた穴馬でもない馬の1着付けまで買うことになる。馬選びの話で泣く馬券の組み方の話だが、3連単を買う際にはこういった点も意識しておきたい。
当コラムの次回更新は1月6日(火)12時予定です。