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小牧太騎手が40年ぶりに園田へ来た母と勝利の口取り! 今週末は息子の応援で中山大障害へ

  • 2025年12月23日(火) 18時01分
太論

▲親孝行が叶った小牧太騎手が近況を語ります(撮影:稲葉訓也)


先週も、圧巻の逃げ切りから計ったような差し切りまで、多彩な戦法で6勝を積み上げた小牧騎手。リーディングはほぼ手中に収めた状況ですが、その前にクリスマスの大一番、兵庫ゴールドトロフィーが待っています。パートナーは、予想オッズで3番人気に支持されているエコロクラージュ。はたしてマテンロウコマンド、サンライズフレイムら中央勢を相手に、フェブラリーSの切符をつかむことができるのか。木曜日の園田11Rをお見逃しなく!

(取材・構成=不破由妃子)

兵庫の塩津璃菜騎手の快挙に「みんな喜んでたよ。感動したわ」


──先週は、初日の1レースから快勝(12月16日・C3二・ダ1400m)。騎乗したマライカは経験馬に交じってのデビュー戦でしたが、直線はほぼ馬なりでの楽勝でしたね。強かった。

小牧 走るわ、あの馬。昔からお世話になっている林正道オーナーの馬でね。林さんも喜んでくれたわ。前から期待していたみたいやけど、JRAではデビューまで行けへんかったらしくて。

──何かアクシデントがあったんですか?

小牧 いや、トモがもうひとつだったみたい。今も身体がギリギリやから、3カ月くらいを目安に放牧に出ました。気も難しくてね、カッカカッカしてるわ。能力はありそうやから、こっちで何回か勝ったら中央に戻すんちゃうかな。ひょっとしたら、それくらいの力はあるかもしれん。そういえば、あの日は宮崎から母親がきていてね。

──園田競馬場に!?

小牧 うん。昼過ぎの飛行機で宮崎に帰る予定やったから、午前中に勝ててよかったわ。口取り写真を一緒に撮りたかったからね。

──お母さま、喜んでいらしたでしょうね。

小牧 馬の横に立たされたもんやから、怖がってたわ(笑)。母親が園田競馬場にきたのは、僕がデビューしたとき以来かもしれんなぁ。

──約40年ぶり! 最高の親孝行になりましたね。水曜日は、9Rのトッレブランカ(C1一・ダ1230m)、10Rのベラジオドリーム(B2・ダ1400m)で逃げ切り勝ち。前者4馬身差、後者8馬身差という圧勝劇でした。

小牧 ベラジオはまた1番枠でね。相変わらずおとなしすぎるくらいやけど、あのメンバーではスピードが違う。今後もスタートさえ五分に出てくれたらハナは取れるやろうし、着々と結果を積み重ねてね、来年はあちこちの重賞に出られるくらいになってくれたらいいんやけど。トッレブランカは、こっちで2つ勝ったから中央に帰りましたわ。

──あら、残念。まだまだ勝てそうだったのに。

小牧 あの小柄な逃げ馬、コヒロも中央に帰ったみたい。そうやって出て行く馬がいるいっぽうで、次から次へと(中央から)入ってくるんですわ。確かにもうちょっと乗っていたかったなと思う馬もいるけど、新しい馬が入ってくるのも、それはそれで楽しみやから。向こうで通用せんかったら、すぐに帰ってくる馬もいるしね。そういえば、土曜日の中京10Rで塩津(璃菜)さんが勝ったやん。去年、園田でデビューした子やからね。感動したわ。

──地方競馬所属の女性ジョッキーが中央のレースを勝つのは初めてだったそうで。きれいな差し切り勝ちでしたね。

小牧 みんな喜んでたよ。夏場は門別に修行に行っていて、本人もレース後に「門別で騎乗したことを生かそうと考えながら乗っていました」とコメントしていたけど、直線が長い門別での経験を生かせたんちゃうかな。頑張っていれば、ちゃんといいことがあるんやね。

──年齢で言うと、小牧さんは塩津さんの38個上ですが、普段から交流はあるんですか?

小牧 よく喋ってるよ。まぁ冗談しか言わんけど(笑)。いい思い出になるやろうし、飛躍のきっかけになってくれたらいいよね。先週は、園田にも中央の若い子が乗りにきていたね(12月18日・2025YJSファイナルラウンド)。9Rでは、逃げた(古川)奈穂ちゃんの後ろでレースをしていて、勝ってくれたらいいなぁと思いながら乗ってたんやけど…。

──そんなことを言いつつ、圧勝したくせに(笑)。

太論

▲「僕の馬が思った以上に強かった(苦笑)」(ユーザー提供:かずごんさん)


小牧 僕の馬が思った以上に強かった(苦笑)。今週は、兵庫ゴールドトロフィーに中山大障害に有馬記念。楽しみがいっぱいやね。

──エコロクラージュは6枠6番に入りました。予想オッズでは3番人気です。

小牧 真ん中がいいなと思っていたから、ちょうどいいわ。それほど強力な馬もいないから楽しみやし、あとはエコロ自身が絞れていたらいいんやけど。まぁ終いの脚がいい馬やからね、運があれば勝つでしょう。なにしろここを勝たんことには、フェブラリーSに出られへんから。

──なんかドキドキしてきた…。ドキドキといえば、中山大障害も。加矢太さんのネビーイームは、今のところ2番人気予想です。

小牧 当日は日帰りで中山に行ってきます。生で中山大障害を見たことがないから、一度は見ておかなと思って。で、次の日はいよいよ有馬記念。毎週楽しみに『ザ・ロイヤルファミリー』を観ていたから、松本オーナーとメイショウタバルがどうしても物語と重なってしまって…。日曜夜の楽しみはなくなってしまったけど、現実の競馬にもドラマがいっぱい詰まっているからね。思う存分、有馬記念を堪能しようと思います。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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