日本の競馬の中で世界と言えば、ずっと凱旋門賞でした。その世界の代名詞としてあり続けたステージに、日本馬として7頭目の挑戦となるディープインパクトのレース結果は、やがて伝えられます。
そして国内では、メイショウサムソンの三冠成るかに話題が移っていきます。
神戸新聞杯から中3週で本番の菊花賞へ、このローテーションになってからは、神戸新聞杯組の成績が圧倒的に良いというのが一致した見方。そこで、メイショウサムソンのトライアル2着をどう考えるか、これに尽きると言ってもいいでしょう。
父オペラハウスの産駒には、テイエムオペラオーがいました。英国でチャンピオンサイアーとして君臨したサドラーズウェルズを父に持つオペラハウスは、古馬になってから大レースを勝ち続けた奥手で、母の父ダンシングブレーヴが80年代欧州最強馬とくれば、メイショウサムソンがどんな馬であるかが想像できます。底力があって、距離が延びての魅力を増すタイプ、そんな風に考えてもいいでしょう。少なくとも、同期のライバル達に血統面でこれに勝てるものはいません。
あの神戸新聞杯は小回りコースの2000mで、多少前々の競馬を心掛けたようで、そうした背中の思いが馬を刺激して、道中はぎくしゃくしたところがありました。負けたといっても、本番は広いコースの3000m、どっしり構えて走れば、自ずと結果はついてきます。
もう一度、人馬の信頼関係を取り戻せば、どうということもないように思ってます。
トライアルでは逃げなかったアドマイヤメインの武豊騎手は、本番では本来の先行策をとるような気がします。メイショウサムソンの脚色を再確認したところで、今度は本領発揮、立ち向かう立場らしい戦い方になるでしょう。石橋守騎手は、そういった思惑にとらわれることなく、どっしりと王者らしい構えでいてほしいと、今から願っています。