カワカミプリンセス、無敗の快進撃がどこまで続くか。そして層の厚い牝馬陣に新旧交代の風もと、この秋もうひとつのテーマが見えてきました。
その父キングヘイローが、ダンシングブレーヴとG1・7勝のグッバイヘイローを両親に持つ良血であることはよく知られており、現役時代にかなえられなかったことをその娘がやってのけている、そんな印象です。ダンシングブレーヴは、キングジョージと凱旋門賞を勝ち、80年代欧州最強馬と呼ばれた強豪、カワカミプリンセスの血脈には、底力があります。
そして牡馬のメイショウサムソン。テイエムオペラオーを輩出したオペラハウスが父で、こちらも母の父にダンシングブレーヴが入っていて欧州型の血統構成です。
何よりも父オペラハウスが、5歳になってからキングジョージなどG1を3連勝した晩成型というのが頼もしく、この世代の牡牝のチャンピオンが似た雰囲気にあるというのが面白いではありませんか。
サンデーサイレンスが世を去り、サイヤーの世界も次の時代への狭間の年。こういう現象の背景にあるものを探るのも興味がふくらむというものです。
メイショウサムソンが皐月賞を勝ったとき、テイエムオペラオー以来7年ぶりのオペラハウス産駒の優勝ということに加え、今度こそ、距離が延びてからの真価発揮をたのしみにしていました。
オペラハウスは、その父が欧州のチャンピオン・サイヤーのサドラーズウェルズ。メイショウサムソンのこの重厚な血脈から、日本での活躍がみられるとは、血の不思議を覚えます。牝系に、かつて天皇賞、有馬記念を勝った名牝ガーネットの名前が見られるところから、こちらの影響を強く受けているのかもしれません。カワカミプリンセス、メイショウサムソン、どこまで勢いが続くか。