たまには記録をじっくり見るのも面白いもので、それが次なるゴールを予測させることはなくとも、レースへの興味を高めるのは確かのようです。
しかし、データはあくまでも過去のもの、それを現実のレースに引用するのは邪道と、かつて大川慶次郎さんは力説されていました。現実をはなれて、記録、データがひとり歩きし、あたかもマジックでも見せられているようなレース検討話しには、なるべく近寄らないようにしています。競馬を見る目が腐ってしまうからです。
競馬は生きもの、ひとつひとつが異なるもので、あくまでも相手関係によって様々なケースを生むから面白いのだと思ってきました。事前にこの馬が勝つと決めていいのは、よほどの強豪の場合で、多くは、或いはほとんどは、そうはいきません。どの程度の可能性があるか、過去のレースを参考に手探り状態というのが本当のところでしょう。
エリザベス女王杯の過去5年の1番人気馬は、テイエムオーシャン、ファインモーション、スティルインラブ、スイープトウショウ、エアメサイアでした。さて、これらにははっきりした共通点があります。
いずれも、前走が秋華賞で、しかも全部がその勝ち馬だったのです。ということは、3歳馬が1番人気を続けているということになります。そして今年は、カワカミプリンセスが秋華賞馬で、どうやら1番人気になりそうですから、これで6年連続になります。
このうち、エリザベス女王杯を勝っているのが平成14年のファインモーションだけで、5戦全勝でここにのぞんだところは、今年のカワカミプリンセスとそっくり同じです。
事前に、よほどの強豪と決めていいケースになるのでしょうか。
いずれにせよ、世代対決で3歳馬が勝つことが大変なのは間違いなく、今年は稀なケースと見ておくべきかもしれません。