あっという間にやってきた夏のローカル開催。昨年からの2つのサマーシリーズにジョッキーズシリーズが加わり、どう話題が膨らんでいくか、新しい試みには拍手を送りたい。スプリントシリーズも2000シリーズも、それぞれ5つあるレースのどれをセレクトするか、馬の状態と相談しながら最低でも3レースは出走したいところ。ここを目標にしている陣営もあって、昨年以上の盛り上がりにはなるだろう。
サマージョッキーズシリーズの方は、スプリント、2000の両方の手綱を取って少しでも多くのポイントをと、意欲を燃やすことになる。優勝すれば、12月のワールドスーパージョッキーズシリーズに出られるので、これまでチャンスのなかった者にも、何がしかの可能性が出てきて、熱のこもったプレーが見られることになる。とにかく、目標があるという設定から、どんな効果を生んでいくのか、一段と興味深く夏を迎えられる。
競馬のスケジュールは、宝塚記念が終了したところで前期の締めくくりとなるのだが、新馬の話題が出てくると、とてもそんな気分ではない。しかし、ここにダービー馬が出走するとなると、少し違ってくる。イギリスのキングジョージのような、レースの雰囲気に格が備わってくる。宝塚記念の元々の狙いは、当初は西のドリームレースだったのだが、今では、日本のキングジョージを大きな目標にしている筈だ。今は、そんな声は聞こえてこないが、いつかはそうなってくれるのではないかという密かな思いを抱いている。
1年を通じて22ある平地のGI戦の中で、この宝塚記念をどう呼んで扱うか、それがはっきりするとき、誰にも待ち遠しいレースとなっているときだろう。その為には、出走する3歳馬が活躍するのが第一だ。旧勢力に新勢力が存在を示すことが、競馬を根深いものにする力になるからだ。単なるタイトル戦では張り合いがない。