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netkeiba

期待馬明暗

  • 2007年07月03日(火) 23時59分
 3週目の新馬戦では、6月30日阪神芝1200m戦に評判馬が揃った。本当に今夏の阪神は、2歳馬の粒が揃っている。

 人気が割れ気味となり、ジャングルポケット産駒の牡馬ジョニーバローズ(母モーリストンベル、牡、栗東・中竹和也)が1番人気となったが、勝ったのは2番人気の牝馬ビーチアイドル(牝、栗東・加用正)。父は新種牡馬ファルブラヴ、母はバイオレットS、マーガレットSなどを勝ち、かきつばた記念も2着したビーチフラッグ。母の勝ち鞍は1400mまでで、ダンチヒ系バウンダリー譲り(代表産駒はサーガノヴェル)のスピードを誇った牝馬だったが、その適性が見事に受け継がれた感じ。楽にハナへ立って後続を離し、一度引き付けてからまた突き放すという余裕の逃げは、仕上がりの早さとスプリンターとしての素質をアピールするものだ。突き放したからといっても、ラスト1Fを12秒台に落とさなかったのも高評価できる。平均的に速いラップを刻めるのは、優秀な短距離馬の証拠で、おそらくダートもイケるだろう。プチ・アストンマーチャンの予感?

 2着がシンボリクリスエス産駒のシゲルザスカイ(母アポロバラード、牝、栗東・坪憲章)で、新種牡馬のワンツーとなった。2番手を進んで完敗となったが、3着馬には3馬身差をつけており、すぐに順番が回って来るだろう。人気のジョニーバローズは5着。半姉がレイズアンドコールにテイエムロマンスとあって、1200mでのデビューとなったのだろうが、いくらなんでもサクラバクシンオー産駒とジャングルポケット産駒を一緒にしてはいけない(苦笑)。明らかにスピードについていけなかった。次走、芝マイル以上なら信頼回復の走りを見せてくれるはず。

 叩かれて変わりそうなのは、8着マイネルコルベット(母Naval Affair、牡、栗東・西園正都)か。仕上がり早でスピードの権化のようなグリーンデザート産駒が、このまま終わるはずはない。次走、平坦コースの方が持ち味が生きるかもしれない。


 POGファンの悲鳴が聞こえるようだった(失礼)、1日の福島芝1800mの新馬戦。勝ったタケショウオージ(母タケショウティアラ、牡)からほぼ2秒離されて7着に沈んだダノンマスターズ(父シンボリクリスエス、母マストビーラヴド、牡)。ラインクラフトの半弟にして藤沢和厩舎の所属とあって期待も高まったが、藤沢和厩舎の新馬戦は以前より期待を裏切ることも増えている。成長力を促すためか、期待馬をソロリと仕上げることも多いからで、こうなることもある程度は予測できた。ただ、それにしても負け方が悪すぎる。好位から内を回ってまったく無抵抗。しかも456キロと小柄で、見かけ上からも叩いて一変するという確証は感じなかったのだ。調教は馬なり主体で、当週に1本だけゴール前で仕掛けたのみだったので、この辺りが強化されてきた時に目覚める可能性はありそうだが…。現段階では判断保留も、ややマスコミが煽りすぎた感はある。

 それにしても、タケショウオージは素晴らしい瞬発力を見せた。上がり2位の2着ショウナンアルバ(父ウォーエンブレム、母シャンラン、牡、美浦・二ノ宮敬宇)を1秒も上回った35秒2。本当にジリ脚のコマンダーインチーフ産駒かと目を疑った。新馬戦実績豊富(06年度は連対率ほぼ5割)な国枝厩舎ながら血統的に盲点となった感もあり、新馬戦はつくづく前評判に惑わされないことが大事と痛感した次第。

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