台風で小倉は順延になるわ、直接開催には関係なかったが、新潟では大きな地震が発生するわと、自然の脅威に翻弄された週末。なんとなくソワソワして競馬どころではなかったというファンも多いだろう。もし、被災された読者の方がいらっしゃったら、心よりお見舞い申し上げます。一日も早く、競馬が楽しめる日々が戻る事を祈っております。
では本題。先週の2歳戦は、ズバリ言ってしまって低調だった。本当か嘘かは知らないが、「セレクトセール週は大物を使わない」という格言? も出始めているとかいないとか。つまり調教師の多くが、追い切り日にはトレセンにいないということから出た業界伝説なのだろうが、結果を見るとあながちガセとも言い切れないか?
14日の函館ダート1000mの新馬戦。昨今は、まず大物視される馬は使わないダート1000m戦だが、
ベストオブミー(牝、栗東・鮫島一歩)のレースは誰が見ても強いのひとことだった。時計的には同日の3歳未勝利戦にやや劣るものの、2着馬に4馬身差をつけており、流していただけという見方もできる。それよりも、父ブライアンズタイム、母フラワーアーチという血統で1000m戦を圧勝したあたりが不気味だ。本来ダートなら中距離向きの配合であるだけに、余裕ぶっこいて潜在能力だけで1000mをこなしてしまった可能性もある。もしそうならダートの大物誕生か?
逆の目に出るとしたら、母方に入ったグリーンフォレストの短距離適性が強力に出ている場合。こうなればダートのスプリンターで納得。なおいずれにせよ芝は厳しいかもしれない。
一見メンバーが揃っていた15日の函館芝1200mの新馬戦。しかし内容は低調。
ナムラブレイブ(牡、母ナムラヒミコ、栗東・目野哲也)は仕上がりの早いアグネスタキオン産駒というだけで母方の血のスケールに疑問。2着
ミッキーチアフルは気性面の課題が大きい。シンボリクリスエス産駒またしても2着、依然として白星が挙がらない。ヤマカツスズランの仔の4着
ヤマカツオーキッド(牝、栗東・池添兼雄)は、いくら母が2歳女王でも、仕上がりの遅いダンスインザダーク産駒だけに、この時期の新馬戦はキツイ。
これなら16日の小倉、九州産馬限定の新馬戦、芝1200mだ。九州産馬限定といえば、今後へ結びつく例はかなり少ないものだが、
メッサーシュミット(牡、母アバンダンメント、栗東・川村禎彦)の勝ちっぷりは余裕綽々。もっとも、父スクワートルスクワート、母がカーリアン産駒のアイルランド馬とあれば、九州産とは名ばかり(というか反則)、かなりの2歳戦向き良質血統だ。ロケットスタートではなく、二の脚を利かせてハナへ立ち、そのまま徐々にスピードを乗せていったあたりが、同じ逃げ切りでもただのポン逃げよりも価値があるところ。小倉2歳Sの惑星かもしれない。小倉2歳Sと相性が良い牝馬だったらなおさら注目だったのだが、その点は目をつぶろう。
新潟は特筆馬なし。ただ15日6R(新潟芝1600m)の負けた馬からひとこと。
トーセンステルス(牡、父Pulpit、母Lady's Legacy、美浦・古賀慎明)と
ブラックマスタング(牡、父Fusaichi Pegasus、母Madame Secretary、栗東・角居勝彦)はダート向きだろう。
インダストリアル(牡、父シンボリクリスエス、母タケハナホープ、栗東・橋口弘次郎)は、現状スピード不足。メンバー落ちか、あるいはダートでないと厳しいかもしれない。