先週は開催なし。今回は緊急企画として、ここまでの2歳戦をまとめておくことにします。過去9回の記述についての総括になります。
★阪神、新潟組レベル高し! 函館、小倉組低調…
春の最後の開催となる福島、阪神で2歳戦が始まるようになってから、どうも阪神のレベルが上がって、北海道のレベルが下がってきているような気がしてなりません。特に今年はその傾向が顕著。ポルトフィーノなど、噂の大物が阪神で早々にデビューして勝ち上がり、賞金を持って夏場を休養、秋中盤から2歳GIへ向けて動き出すというのが、期待馬の定番パターンとなりつつあるのかもしれません。
加えて、今年は新潟組がなぜかハイレベル。ゴールドストレイン、タケミカヅチ、ショウナンアルバ、スズジュピター、エフティアクトレスと、新潟2歳Sのみならず、その後へつながりそうな好素材が続々と勝ち名乗りを挙げています(福島組のタケショウオージもなかなか)。その理由はよくわかりませんが、北海道での馬房の割り当ての競争率が高いことが一因かも。抽選に漏れてローテーションが狂うよりは、確実に出走が見込める新潟(特に関東馬にとって)で下ろすという厩舎戦略が背景にあると思われます。
★クラシックを意識した使い方が目立つ
以前は、2歳夏競馬は短距離指向とイコールであり、クラシックを賑わせるマイル以上の適性を持つ馬はデビューを遅らせる傾向がありました。しかし先ほど述べたように、ここ数年は大物の早期デビューが目立っています。
JRAは2歳戦振興を方策に掲げ、その一環として、夏競馬での2歳戦における、マイル前後のレースを増加させてきました。その結果、先に述べたようなローテーションが可能になったので、評判馬、良血馬が早めの仕上げをする、イコール、早めに賞金を加算して今後を楽にするような作戦を採るようになってきたのでしょう。
★新種牡馬戦線に異常?
毎年、新種牡馬の成績がその年の2歳戦に大きな影響を与えていますが、今年はここまでのところ、それほどの成績は挙げていません。御三家と前評判の高かったシンボリクリスエス、ファルブラヴ、アグネスデジタルのうち、ソコソコ頑張っているのはファルブラヴくらいです。
シンボリクリスエス産駒は2、3着を量産して勝ち切れず(8月21日現在で1勝)、アグネスデジタル産駒はスピード不足の懸念が出ています。しかし、もちろんそれぞれの種牡馬の本丸は秋競馬以降ですので、この段階で決めつけるのは早計なのですが、ただ他の新種牡馬、特に前評判がさほどでもなかったゴールドアリュールやコロナドズクエストが好調なのを見るにつけ、もしかしたら晩成タイプかも? という空気も漂ってきていうように思います。
★現状のレベル分け
それでは最後に、ここまでの連載で名前の出てきた馬を、あくまでも大雑把に、個人的にレベル分けしてみます。
牡馬路線
♂グループA⇒
ゴールドストレイン、
スズジュピター、
タケミカヅチ、
サブジェクト ♂グループB⇒
タケショウオージ、
ダイワマックワン(短)、
ショウナンアルバ、
セレスハント、
エイブルベガ(短)
♂グループC⇒
アーネストリー、
キャプテントゥーレ、
マイネルアトレ、
イイデケンシン(短)
牝馬路線
♀グループA⇒
ポルトフィーノ、
エイシンパンサー、
ミゼリコルデ ♀グループB⇒
ビーチアイドル(短)、
エフティアクトレス、
レディービスティー、
サマーエタニティ、
ヤマカツオーキッド、
ハートオブクィーン(短)
♀グループC⇒
エフティマイア、
フォーチュンワード、
ジョイフルスマイル、
ベストオブミー もちろん、これは、あくまでも現時点でのものであり、絶対能力を示すものではないことを強調しておきます。2歳重賞戦線での目安程度にはなると思うので、ご自分で修正したりしつつランクをつけてみるのも面白いかもしれません。
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