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評判信ずべからず?

  • 2007年08月28日(火) 18時50分
 インフルエンザ禍から競馬が再開されました。2歳戦においては、組まれているレース数が少ないために、ローテーションを狂わされた馬自体の数は、3歳未勝利戦や古馬よりも少ないわけで、今後への影響も小さいと思われます。

 先週の2歳戦の出走馬ラインアップを見ると、2週分が凝縮?したこともあるのか、粒自体は揃っていたような気がします。良血馬、評判馬が集結するレースが目立ちましたが、その結果は…必ずしもその声と一致しないものでした。

 まず小倉ですが、こちらは相変わらず目に止まるようなレースが見当たりませんでした。25日土曜の九州産馬限定・ひまわり賞(芝1200m)はメッサーシュミット(牡、父スクワートルスクワート、母アバンダンメント、栗東・川村禎彦)が危なげない勝利を収めましたが、ただ同日の2歳未勝利戦でのノボリデューク(牡、父タイキシャトル、母サンデーミッチー、栗東・松永昌博)の勝ちタイム1分9秒7に0.6秒も劣る1分10秒3。翌日の新馬戦にも劣るようでは…。このメッサーシュミットは従来の九州産とは血統的にも質が違うとして、デビュー戦を評価したものですが、これではさすがに厳しいですね。もちろん、今回はメイチではなかったレースではありますが…。あるいはダートでも面白いのかもしれません。


 新潟では、土曜1Rの芝1200mの未勝利戦。勝ったレイクエルフ(牡、父スターオブコジーン、母ベルグチケット、美浦・手塚貴久)のスピードに注目です。前週(中止週はカウントしてません)の古馬500万、佐渡金銀山特別に0.2秒差の1分9秒6。後半のラップの落ち込みがまったくない、後半が厳しい展開で差し切ったのは高評価できるでしょう。


 日曜5Rの牝馬限定の新馬戦は、プレシャスカフェの妹アロマキャンドル(牝、父フレンチデピュティ、母エアインセンス、美浦・河野通文)、ココナッツパンチの妹プレサンティール(牝、父アグネスタキオン、母ココパシオン、栗東・矢作芳人)、ニシノシタンの近親ニシノイノーマス(牝、父サクラバクシンオー、母ハンドルウィズケア、美浦・浅野洋一郎)、POGで話題の一角を占めたサマーミッドナイト(牝、父ワイルドラッシュ、母ジョイデソアー、美浦・稲葉隆一)などが揃った芝1400m戦。勝ったのは新種牡馬ファルブラヴ産駒のラルケット(牝、母アズサユミ、美浦・和田正道)でした。兄はクランエンブレムで、レースが巧く、一本調子のレースが向きそうな体力があるようです。時計的には特に見るものはありませんが、レースぶりはしぶとく、ジワジワ強くなっていきそうです。


 札幌では25日の土曜2Rの未勝利戦、芝1500mが印象的。デビューから3戦2着を続けたランチボックス(牡、母アローキャリー、栗東・浅見秀一)が快勝、2着はミゼリコルデに0.2差秒の2着だったアマゾネスバイオ(牝、母プロスパーバイオ、栗東・領家政蔵)で、シンボリクリスエス産駒のワンツーでした。ここまで勝ち切れなかったランチボックスですが、使い込まれて良化するのは、父と母アローキャリー両方の資質から考えれば仕方ないところ。むしろこれで軌道に乗れば、マイル前後でグングン強くなりそうです。多少馬場差に違いがあり、しかもペースにも差があったとはいえ、同日のクローバー賞より1秒も速いことは大きい。2走前の阪神マイルの未勝利戦でクビ差だけ差されたウイントリガー(牡、父スターオブコジーン、母エピーメロン、栗東・山内研二)が、そのクローバー賞を勝ったわけですが、今回に限ってみれば明らかに逆転したと言える内容でした。

 なお3着にはタマモホットプレイの全弟タマモナイスプレイ(牡、父フジキセキ、母ホットプレイ、栗東・南井克巳)が入りました。近々順番が回ってきそうです。


 で、前述のクローバー賞は低調と言わざるを得ません。余裕のあったように見えるウイントリガーの評価は保留ですが、2着以下は完敗だけに厳しい。最下位に敗れた人気のイイデケンシン(牡、父サンダーガルチ、母ヘヴンリーアドヴァイス、栗東・昆貢)は、やはり距離の壁も大きいと思われます。


 土曜から忘れてはいけないのが4Rの新馬戦。こちらもPOG人気の高かった3頭、レッドチリペッパーの仔でアグネスタキオン産駒のゴルディオス(牡、栗東・松田博資)、ヴィクトリーやリンカーンの従兄でシンボリクリスエス産駒のネオスピリッツ(牡、母ネオクラシック、美浦・藤沢和雄)、アドマイヤフジの全妹アドマイヤトパーズ(牝、父アドマイヤベガ、母アドマイヤラピス、栗東・橋田満)らが揃って、かなりの注目を集めていましたが…前半65.0秒の超スローペースなのに前が崩れるという、首を捻る展開。勝ったのは血統的にはB級(失礼)のリッカロイヤル(牡、父シーロ、母エトアールピオン、栗東・中尾秀正)で、2着はアイアムスパークル(牝、父スペシャルウィーク、母シャコージュノー、美浦・小島茂之)という結果。人気馬ではネオスピリッツが3着に入ったのが最高ですが、4角での捌きからは勝っていないとオカシイ内容。お寒い一戦でした。特にゴルディオスは残念。評判倒れの子供ばかりになってしまっているレッドチリペッパーは、繁殖牝馬としての価値に暗雲が垂れ込めています。ゴルディオスが次走以降、不安一掃の走りを見せることができるでしょうか。


 日曜です。ソリッドプラチナムの妹ハーマジェスティ(牝、父ラムタラ、母リザーブシート、栗東・矢作芳人)、レディパステルの仔で高額の外国産ロードバロック(牡、Rock of Gibraltar、美浦・田中清隆)、ヒカルベガの全妹アドマイヤワイド(牝、父アドマイヤベガ、母フェアディール、栗東・橋田満)が出揃った札幌4Rの芝1500mは、新種牡馬アグネスデジタル産駒のアモーレヴォレ(牝、母ダンシングハピネス、美浦・田村康仁)が勝利。ただし、かなりのスローペースで前に有利だった面もあり、上位馬の内容には特筆事項なし。強いて言えば、出遅れて大外回し、絶望的な位置から3着と差のない4着まで追い上げたマイネルスターリー(牡、父スターオブコジーン、母スイートウインク、栗東・加用正)の次走に注目といったところでしょう。


 このように、前評判の高かった馬が総崩れした印象が強かった、先週の2歳戦でした。


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