限定的ではあるが、馬の入退厩が開始された。完全な正常化へ向かって大きく踏み出せたということだ。案ずればきりがないが、このまま一直線、なんの杞憂もなく進むことを願いたい。
秋のビッグレースを目前に、とにかく悠長に構えてはいられない。少しでも早くトレセンに戻らなければ間に合わない。これからしばらくは、厩舎に帰ってくる馬の情報が見逃せなくなった。
競馬に運、不運はつきものだが、今回のそれはしっかり検証しておく必要がありそうだ。言ってみればアクシデントなのだから、その馬の資質とはかけ離れたところにある原因から生み出されたと考えていい。だから、秋を迎えるまでの個々の状況がどうであったか、是非とも知りたいのだ。
今回のことで学んだこともあるだろう。不測の事態にどう取り組んだのか、やるべきことはやれただろうか。誰もが、今考えていることだと思う。
どうにか乗り切って秋を迎えたと言っても、追われる思いは拭い切れない。しかし、やるべきことはやらねばならないという思いで日々を送っている。それを汲み取って、こちらも今後に生かさねばならない。
それにしても、昭和46、47年のインフルエンザのときに比べ、競馬の事情は大きく変わった。馬の入退厩が大幅に増え、どの好調馬を厩舎におき、どう短期放牧に出してリフレッシュさせるか、そして、どの馬を代わりに放牧地から入厩させるか。常にどれだけ臨戦態勢を整えていくかの勝負で、このやりくりの上手なところが、いい成績を残しているのだ。
リーディング上位の厩舎の成績を分析してみると、その辺のところがはっきりしてくる筈だと思っている。ということは、今回の不測の事態は、そういう工夫や手法をも御破算にしてしまったことになる。