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秋のGIタイトルを目指す戦い

  • 2007年09月19日(水) 15時45分
 秋のGIタイトルを目指す戦いが、今年も始まっている。すでに春の実績があって、言わば追われる立場にあるもの。一戦一戦をステップアップの場として戦い、次に進む正念場としているもの。いつもの秋が、競馬にも訪れた。

 特に、待ったなしの3歳馬のみのタイトル戦には、少しずつ緊迫感が漲ってくる。菊花賞に秋華賞、秋はこの2つだ。牝馬がダービーを勝った年というせいもあり、どちらかと言えば、秋華賞を目指す牝馬陣に厚味を感じてしまうのも仕方がない。この状況を覆すには、よっぽど強い勝ち方を牡馬がしてくれないことには駄目だ。菊花賞3000m、それはそれで、その時になれば熱くなるだろうが、是非とも、淀から一気に有馬記念をも望めるような馬が出現することを願いたい。

 本当ならば今頃は、凱旋門賞のロンシャンに関心が寄せられている筈だった。メイショウサムソン、ウオッカと複数で戦うところに尽きせぬ思いがふくらみ、加えて、3歳馬の挑戦という、日本の競馬にとっては夢のようなシーンが見られる筈であったのに、まことに残念としか言いようがなかった。そうなればこの2頭に、遠征できていたならばの思いを強くするような戦い方をしてもらいたい。一度は膨らんだ夢が、しぼむことなく、この先につながっていけることが、この無念の思いを癒してくれる。

 そして、ダービー馬ウオッカには、当然牝馬という枠を超えた存在であり続けてもらいたい。秋華賞からエリザベス女王杯、それだけでは物足りず、大敗した宝塚記念を忘れさせるようなことは、是非やって欲しい。

 ローズSでダイワスカーレットが貫禄を示したように、3歳は牝馬が強いのイメージ変化していない。暮れに向かい、こうした強い3歳牝馬たちが、どこまで競馬の話題をさらっていくか、いつもとは異なる競馬になることで、例年にない盛り上がりが期待される。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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