先週は、これは! という大物こそ見当たりませんでしたが、中堅級へ昇りそうな面白い馬が数頭現れました。1頭ずつ手短かに触れていくことにします。
まず阪神。期待度の順に挙げると、日曜5Rを勝った
フローテーション(牡、父スペシャルウィーク、母ダイイチフローネ、栗東・橋口弘次郎)は、ダイイチアトムの全弟で、スティンガーの甥という良血馬。外回りの1800mの新馬戦とあればスローは確定的で、このレースも前半65.0秒の超スローもいいところでしたが、上がりを34.3秒でまとめた勝ち馬は、スローの勝ち方の見本のようなレースぶりでした。折り合いも巧くつくし、これならジワジワと強くなりそう。2着
アドバンスシチー(牡、父マンハッタンカフェ、母イヴニングライド、栗東・佐々木晶三)も次走は確勝級でしょう。
土曜5Rの芝1200mの新馬戦を快勝したのは
ラベ(牝、栗東・橋口弘次郎)。2番手抜け出しで危なげない勝ち方でしたが、タイムは1分09秒9と平凡。しかしこれはスプリンターとしてのセンスがないだけで、本来はマイル以上でしょう。父がダンスインザダークで母がクイーンリザーブ、母父がミスワキ。配合を見れば2000m以上でもいいくらい。1200mを勝ったことで、次も短距離に出てくるのかもしれませんが、その場合はスピード不足で大敗の可能性もあります。中距離なら面白そう。
スプリンターとしての才能なら、土曜1Rの牝馬限定の未勝利戦を勝った
エイムアットビップ(牝、母ドリームクロス、栗東・矢作芳人)。1分08秒6は、9月16日の3歳以上1000万下、仲秋特別のマッチメイトの勝ちタイムに0.2秒と迫るもの。逃げてマークしただけに、すべて本馬の力です。アグネスデジタル産駒。
続いて中山。日曜1Rの未勝利戦を勝った
ニシノガーランド(牝、母サーニャ、美浦・武藤善則)は、時計よりも中身で高評価。出遅れて最内枠で揉まれこみ、内有利の中山マイルの利点を活かせない状態に。さらに直線で前が壁、しかも掲示板に載ったのは逃げ・先行ばかりという最悪の流れから、馬群の真ん中をさばいて差し切り勝ち。メジロライアン産駒で、祖母が83年の新潟2歳S勝ち馬マリキータだけに、野芝が向いたということもあるでしょうが、それにしても不向きな流れを克服した強さは見事でした。ハデさはありませんが、今後注目の牝馬。
土曜2Rでは評判馬
スパークキャンドル(牡、父A.P. Indy、母Serena's Song、美浦・藤沢和雄)がまた2着。完璧なデキ、巧いレース運びながら勝てなかったのが不安。決め手もいまひとつ。ただ少しずつ成長していくタイプではあるでしょう。なお、ダートなら爆発するか。
最後に札幌。日曜2Rを勝った
ウインギガシャトル(牡、父タイキシャトル、母バードキャット、栗東・池江泰郎)は、前日の古馬500万下に0.1秒差、1000万下の藻岩山特別に0.3秒差と迫るもの。逃げて並ばれ差し返すという根性も見せており、1400mからマイルなら安定して走りそうです。
以上、飛び抜けた即重賞級…とはいかないまでも、来年は重賞に顔を出していそうな馬がズラズラ現れた週でした。再度見直しておいてください。
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