先週の中央競馬は、開催替わりの開幕週からいきなり土日月の3日間開催でした。当然のことですが、出走馬が分散するためにレベルが薄まった週でした。その証拠に、決着時計の低調なレースが多く、もしかしたら通常の週なら勝ち負けレベルには至らない馬たちの勝ち上がりが結構見られた上に、強い馬とそうでない馬のとの格差が広がったレースが目立ちました。これは2歳戦だけに表れた現象ではなく、3歳以上においても共通すること。単勝1倍台がやたら多くなったり、前走が時計面で低レベルだった馬たちの好走が増えていたりしました。年内にも、3日間開催がまだ予定されていますので、この辺の傾向は覚えておきましょう。
いきなり結論めいた書き出しで恐縮ですが、その辺を踏まえておかないと内容を見ていくことができないので、敢えて最初に指摘した次第です。
さて、東京ですが、新馬戦、未勝利戦は時計的にはどれも見るべきものがありませんでした。個々の馬についてのポイントを見ておくと、日曜の芝1800mの新馬戦を勝った
フジヤマラムセス(牡、美浦・加藤征弘)。新種牡馬ファルブラヴ産駒で、母は7勝したビューティーメイク、近親にグロリアスウィーク。前半66.0秒は調教並みの超スローペースで、キツイ書き方をすれば、競馬としては体を為していない面もありますが、推定上がりは33.9秒、しかもこのペースで、少頭数といえども後ろから差したことは評価したいです。ただ、普通のペースに放り込まれたら、少なくとも初戦については戸惑って凡走する恐れも孕んでいます。
もう1頭、話題の
ダイワカンパニー(牡、父アグネスタキオン、母ヒットザスポット、美浦・松山康久)のデビュー戦となった月曜のマイル戦。これも前半が64.7秒と、マイルにしては歩いているようなペースで論外。ダイワカンパニーは、後方から終始外を回って、一度も仕掛けることなく、上がりはもちろん最速で、上がり2位の馬を1秒近く上回る推定34.2秒。まずは危なげなく、評判通りの勝利を収めました。馬体は全姉ミンティエアーとそっくり。ただし、相手もかなり低レベルで、見かけ通りの強さを秘めているかどうかはわかりません。坂下ではヨレる幼さも見せましたし、この走りをもってして、関東の有力格とまでは言いたくはありません。
ダートのプラタナス賞は、前走を評価した
タカラストーン(牡、父Grindstone、母Tropico Cielo、美浦・国枝栄)が2着になったのはいいとしても、
ディアヤマト(牡、父テイエムサンデー、母メモリアルスポート、美浦・高橋裕)に3馬身ち切られたのはガッカリです。タイム面も低調。
京都からは、土曜に行われた1400mのりんどう賞を勝った
エイムアットビップ(牝、父アグネスデジタル、、母ドリームクロス、栗東・矢作芳人)。前走、1200mの未勝利戦の勝ち方を高評価しましたが、それを裏切らない快速ぶり。1400mに延びてもまったく不安はなく、余裕の逃げ切り勝ち。内回りと外回りの違いはあるものの、同日の12Rの古馬500万より0.3秒速かったのは立派だと思います。ファンタジーSの有力馬にのし上がってきました。
しかしそれ以外の新馬戦、未勝利戦は軒並み低調。超スローペースとなった
ピースキーパー(牡、父ウォーエンブレム、母プリンセスシラオキ、栗東・池江泰郎)の勝った日曜の新馬戦1800mも、上がりが物足りず評価対象外となります。ただし、上がり3Fが11.8-11.6-10.9秒と、最後の1Fがもっとも速かったのはとても珍しいと思います。裏を返せば、それだけ仕掛けが遅かったということで、力を出しての結果とは言えないともなるわけですが…。
とにかく、軒並み低調、軒並みスローで、ハッキリ言ってこれでは評価のしようがありません。極端な話、先週のメンバーの次走はまず疑ってかかる手もあるかと思います。こうした低調な週のメンバーの次走成績をチェックしておくと、今後の見極めに役立つのではないでしょうか。
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