今週も、強い3歳牝馬の登場だ。春、世間をあっと言わせた強豪たちが揃って元気に秋を迎えている。
巷間うわさされるウオッカとダイワスカーレットの3度目の対決が全てなのか。初対戦のチューリップ賞がウオッカ、第2戦の桜花賞がダイワスカーレット、いずれもどちらとも言えぬ戦いぶりだったと思う。64年ぶりの牝馬のダービー制覇を達成したウオッカが、俄然時代の脚光を浴びたのは当然として、秋初戦で見せたダイワスカーレットの余裕の勝利も並大抵ではない。
この2頭は、一方が熱発で、他方が牡馬に立ち向かったためオークスには出ていない。どちらが年度を代表する3歳牝馬なのか、それが問われる両雄が、クラシックの重要な一戦で顔を合わせていないというのも、そうあるものでもない。しかし、そういうことはどうでもいいと思わせている。何にも増して牽引の役割を果たしたウオッカの存在が大きい。
両GI馬の出ていないオークスは、桜花賞で4着に敗れていたローブデコルテが、フローラSを勝って本命に支持されたベッラレイアを際どく退けて優勝した。このオークス馬は、春前哨戦チューリップ賞でウオッカ、ダイワスカーレットに大きく敗れていたので、秋を迎えても評価が上がらないのも仕方ないこと。それより、ベッラレイアの手綱を武豊騎手に委ねたことで、どう挑んでいくかの興味がふくらんでいる。ローズSで2着、逃げたダイワスカーレットをどう見ているのか。どう戦ってもかなわないとも述べているようだが、そこは天才騎手、安藤勝己騎手との駆け引きというもうひとつの見所がある。後世に残る名勝負であることは間違いない。
そして、その舞台を飾る強豪たちが、タニノギムレット、ナリタトップロードの産駒だということがうれしい。
内国産種牡馬の時代を、これほどはっきり具現してくれたことはこれまでなかった。