まずは、土曜に行なわれた重賞、デイリー杯2歳Sから見ていきます。テンの3Fは35.5秒、上がり3Fは34.6秒なので、これは03年のメイショウボーラーとほぼ同じ。ただし勝ちタイムは、メイショウの年が1分34秒1だったのに対し、今年の
キャプテントゥーレ(牡、父アグネスタキオン、母エアトゥーレ、栗東・森秀行)は1分35秒6と1.5秒も遅い。逃げ切りのメイショウ、道中僅差2番手から抜け出しのキャプテンという位置取りからも、時計の価値をほぼ単純比較していいと思います。となれば残念ながら、今年の内容は、時計面からはかなり低レベルと言わざるをえません。
かねてから、ここで課題ばかりを取り上げてきたキャプテントゥーレ。重賞ウイナーとなったこと自体は評価しますが、やはり今後へはつながらないレースだったと思います。
むしろ、絶望的な位置から僅差2着まで追い込んだ
タケミカヅチ(牡、父ゴールドアリュール、母カズミハルコマ、美浦・大江原哲)は評価。あとはゴール前に坂のあるコースへの対応でしょう。
11着
マルブツイースター(牡、父サクラバクシンオー、母ミスイースター、栗東・中尾正)は、前走にも書いたように完全なスプリンター。7着
オースミマーシャル(牡、母アルーリングアクト、栗東・中尾正)は、直線、前が狭くなったことと、展開に殺された面も大きいですが、裏を返せば展開に恵まれないと好走できないとも言えます。ただし、ダンスインザダーク産駒ですから、自力で動いても行けるはずです。次走は積極的な競馬をしてほしいものです。8着
マリエンベルク(牡、父マリエンバード、母シャドウスプリング、栗東・松元茂樹)は、前走は全く目に留まらなかったのですが、大外一気の見かけの鮮烈さで今回1番人気になったのには驚きました。これから揉まれつつ力を付けるタイプではないでしょうか。
前回、開幕週の2歳戦が低調だったという記事を書きましたが、先週はその反動からか、粒がかなり揃っていました。「オッ」という超大物は出なかったとみますが、先々楽しみな馬たちが続々勝ちあがった週だったと思います。新馬戦、未勝利戦からおさらいしていきましょう。
東京土曜2Rの未勝利戦・芝1600mは、前半35.9秒のスローから、上がり34.5秒でまとめた上がりの速い競馬で、水準よりやや上の1分35秒1まで押し上げました。勝った
マルターズオリジン(牝、母Affirmed Halo、美浦・水野貴広)は、2番手からの抜け出しで、ほぼこの時計を額面通りに評価していい内容。初日の
トラストパープルの未勝利戦と、テンがほぼ同じで、上がりはおよそ1秒上回りました。また先週の
ダイワカンパニーのレース(馬の比較ではなくて)との比較でも、価値は相当上となります。もしかしたら2歳女王候補か?外国産で父はスウェイン、母父はアファームド。「母父アファームド」という馬は、もう少なくなりましたが、ブルードメアとしてかなりの確率で上級馬を出すのは立証済みで、まずは無条件で注目です。
土曜3Rの新馬戦、芝1800mを勝った
ダノンインスパイア(牡、美浦・加藤征弘)。アドマイヤベガのラストクロップから、楽しみな馬が出ました。上がりの豪快さを見せた開幕週の
フジヤマラムセスと同厩ですが、この馬よりも脚の航続距離が上です。前半はとにかくズブかったですが、目が覚めてからの脚が素晴らしい。母は秋華賞馬ブゼンキャンドル。
そして日曜4Rの新馬戦、芝1600mを勝った
ゴスホークケン(牡、母Allthewaybaby、美浦・斎藤誠)。東京マイルの新馬戦で、同日古馬500万と0.7秒差の1分34秒9なら合格。ただしこちらは新馬らしからぬ器用さが目に付き、将来性というよりは早熟さで勝負する感じがしました。父バーンスタインはストームキャット産駒で、アルゼンチンで一流種牡馬となっており、2歳G1馬を輩出しています。
続いて京都。日曜2Rの未勝利戦、芝1800mは
ノットアローン(牡、父アグネスタキオン、母ソニンク、栗東・橋口弘次郎)の勝利。過去2戦は後方からの追い込みで届かず、今回は一転して逃げ切りの初勝利。1分47秒8は、前週の古馬500万、ランペイアの勝ちタイムと0.4秒差。手応えにはまだまだ余裕があり、価値はほぼ等しいと言えるでしょう。同日の最終レースを勝ったルミナスポイントの全弟、オープン在籍のモンローブロンドの半弟ですが、姉たちよりも距離の融通は利きそうです。
そして3Rの新馬戦、ダート1800mを逃げ切った
コオリナストーン(牡、母ダッドマイクイン、栗東・森秀行)。時計的にはスローすぎて全く意味がありませんが、ずっと遊んだまま6馬身差で逃げ切ったのはたいしたもの。次走で厳しいペースに巻き込まれた場合は不安ですが、器としてはかなりのものでしょう。父はバトルライン、母の父はライブリマウントを出したグリーンマウント。
このように、覚えておくべき馬がたくさんいた先週の2歳戦。負けた馬たちにも面白そうな馬がいたので、よく見直しておくと役立ちそうです。
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