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セオリーの奥にあるものを見極めていきたい

  • 2007年10月17日(水) 00時00分
 何が強いかを考えるのも競馬検討だが、それぞれが持っている勝ちパターンが果たして通用するかどうか、それを考えるのも大きい。

 どの有力馬にも、強い勝ち方をしたときのイメージがある。そして、その印象の度合いによって序列を決めていることが多い。

 終った秋華賞2000mの前半、後半の5Fは、59.2-59.9秒、これだけ見るとごく普通の平均ペースだが、レースの上がり3Fの33.9秒という速いタイムはどこから生まれたのか。ダイワスカーレットの勝因は、正にここにあった。ラップタイムを見てみると、5Fと6F目が遅くなっている。特に1000mを通過した直後のFが13.6秒ペースダウンし、ここで2番手で折り合えたスカーレットが、自分の勝ちパターンに持ち込める情況ができていた。

 ここからスパートしてもバテることはないだろうと安藤勝己騎手の読み通り、3コーナーをすぎて先頭に立ち、11.3-11.1-11.5秒でゴールを駆け抜け、他馬を寄せ付けなかった。この芸当を持っていたからこそ、他馬の末脚を完封できたのであり、これを打ち破るにはどうすればよかったか、これに敗れた有力馬たちの課題として残った。

 しかし、どうすればよかったかではなく、ダイワスカーレットを倒すには、どんな馬でないと駄目かということかもしれない。半兄ダイワメジャーも、全く似た勝ち方をしてきた。いずれの手綱も取るアンカツは、マイルから2000mの競馬がどんなレースになり、どう適応すれば勝てるかをつかんでいる。そして、今の競馬がこうなっているのだと述べているようでもある。

 何が勝つかを考える前に、どんなレースになるかを考えてから、それに適応できる馬できない馬を選別するべきなのだろう。

 さて、菊花賞3000m。どの馬にとっても未知の距離。折り合いが肝心というセオリーの奥にあるものを見極めていきたい。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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