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新馬<未勝利?

  • 2007年10月30日(火) 18時50分
 東京と福島は台風の影響で、土日共にかなりの道悪競馬となりました。それだけに、時計の価値が直接レースや馬の評価には反映してきませんが、レースぶりからは印象に残る2歳馬が何頭か出てきました。

 まずは東京。大雨の中行なわれた土曜2Rの未勝利戦(芝1600m)、勝ったトップオブマジック(牡、父メジロライアン、母クリアモン、美浦・伊藤伸)は「雨のライアン」を立証する道悪適性。もっとも強い競馬をしたのは、2着インユアアームス(牝、父ファルブラヴ、母フラッシュウェーブ、美浦・二ノ宮)でした。この馬は中山の良馬場の新馬戦でも負けてなお強しの競馬をしており、未勝利を勝つのも時間の問題。ひとつ勝てばポンポン行きそうです。この馬力の馬場でも勝ち負けできたことで、能力は保証されました。


 日曜2Rの未勝利戦(芝1800m)、馬場発表は重馬場でしたが、時計の出方はかなり戻っていました。勝ったエアキリヤン(牡、母エアラグーン、美浦・伊藤正)の勝ちタイムは1分49秒0で、前週の稍重のロスペトリュス(牡、父タイキシャトル、母ロスマリヌス、栗東・大久保龍志)、2週前の良馬場のマルタカシャトル(牡、父タイキシャトル、母オースミダンサー、美浦・清水美波)より1秒以上も速い。1800mにしては緩まないペースを、オークリーフキッド(牡、父Stormin Fever、母Pub Crawler、美浦・秋山雅一)との一騎討ちで制した根性も評価できます。

 父はエアエミネムで、エアシャカール、デジャヴーの甥という良血馬。父のイメージからはどうも派手さに欠けますが、デインヒルの良さが出ているとすれば、思わぬ大物の可能性もあります。初戦はスタートでガタついて出遅れ、力を出せなかったということなのでしょう。まだ幼さはあるようですが、実が入れば面白い1頭に。なお渡りあったオークリーフキッドの方は早熟タイプで、こちらもこのあとはポンポン行けそうです。


 なお、日曜500万下のくるみ賞は凡戦で見所なし。


 続いて京都。土曜3Rの新馬戦(芝内1600m)を勝ったのはレーヴダムール(牝、母レーヴドスカー、栗東・松田博資)。時計的には見るべきものはありませんが、レースぶりは2歳馬らしからぬ豪快さ。出遅れ、内をマクって追い上げ、ズブさを見せながらもキッチリ差し切った根性は素晴らしい。前残り気味の展開だったことも価値を上げます。ファルブラヴ産駒で、ナイアガラの半妹。距離延びても良さそうだし、力の要る芝がベストで、暮れの阪神の芝は最高の舞台なのでは。


 同日のオープン特別、萩S(芝1800m)は、サブジェクト(牡、父フジキセキ、母アランセラ、栗東・池江泰郎)が期待を裏切る結果。前走の新馬戦をここでも評価したフローテーション(牡、父スペシャルウィーク、母ダイイチフローネ、栗東・橋口弘次郎)が好位から、粘るダンツキッスイ(牡、父シンボリクリスエス、母、サンフラワーガール、栗東・橋本寿正)を差し切りました。

 内容的には特筆するものは何もない凡戦で、メンバーの割には落胆させられましたが、勝ち馬は脚を長く使えるタイプで、相手なりに走れる器用さがあります。サブジェクトは次こそが真価を問われる場。ミゼリコルデ(牝、父Fasliyev、母Match Point、栗東・音無秀孝)はさほど太め感はなかったので、この大敗ぶりは遺憾。北海道シリーズの期待馬たちがなすすべもなく大敗したことは、やはり今年も北海道デビュー組の質が低かったことを裏付ける結果に。なお、オースミマーシャル(牡、父ダンスインザダーク、母アルーリングアクト、栗東・中尾正)はムラな馬であることがハッキリしました。


 福島では、きんもくせい特別(芝1700m)を勝ったメジロガストン(牡、父スペシャルウィーク、母クライウィズジョイ、美浦・大久保洋吉)。危なげない逃げ切りでした。馬力の要る馬場が巧い血統で、高速馬場では厳しいかもしれませんが、実にキビキビした良いフットワークを見せます。相手と展開次第では、重賞でもやれる馬かもしれません。



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