メイショウサムソンが勝って、凱旋門賞遠征とり止めのうっぷんを晴らし、来年への期待を抱かせたのはなによりだった。
先週アメリカでは、世界最大の競馬イベント、ブリーダーズCがあり、ひと足先に年度の締めくくり。これで各カテゴリー別の代表馬選定の見通しはついた。一方こちら日本は、チャンピオンロードの第一戦が終了したばかりで、これから佳境に入る。主役はメイショウサムソン、これははっきりしているので、取り組みやすくなったのではないか。
ところで、今年から3レース増えたブリーダーズCは2日間にわたって行なわれたが、数年後には16レースにまで持っていくそうだ。他の追随を許さない規模にするというのだが、ブリーダーズC協会の意欲は、国という単位を超えたとこにある。
今年から出走馬の選定方式が大きく変更されたのをご存知だろうか。
これまでと異なり、24のレースを指定してその勝ち馬に出走権を与え、次に全米の重賞レース成績をポイントで表わし、その順位により選び、残り半分を選考委員会で決めるというもの。イベントとしての効果を上げる狙いがあるが、まだこれは第一歩にすぎない。
ブリーダーズCの青写真を世界中の競馬団体に示し、意欲があれば、ブリーダーズCを海外で実施しても構わないというのだ。もちろん、前哨戦の指定レースを海外で行なうことも入る。国の垣根をはずし、公正な規制の下、世界規模でこのイベントを盛り上げていく、もしかしたら、このブリーダーズCの将来の姿が、そのまま世界の競馬の在り方にまでなっていくのではないか、そんな風に思える。
進化していくブリーダーズC、他の競馬団体がどう呼応していくか。そのとき、日本は。グローバルな視点で競馬を見ていくことで、その変化に意識がついて行けるようにしておかなくてはならないのかもしれない。