競馬は淘汰の繰り返しという見方ができ、それを世代交代という言葉で言い表わすことがある。
エリザベス女王杯の前日、福島記念をアルコセニョーラが勝ち、強い3歳牝馬をアピールしたが、翌日ダイワスカーレットが世代対決に決着をつけ、強さを完璧に証明した。ウオッカの出走取消は残念だったが、もし出ていたら、上位独占もあっただろう。
エリザベス女王杯が3歳以上の統一戦になった当初は、秋華賞から中2週というローテーションで、古馬勢が優勢だった。やはり成熟した古馬の方が力が上という考え方が定着しつつあったが、2000年から中3週になり、3歳馬も互角に戦えるようになった。
今年の結果が、ここ一両年の勝ち馬が順に2,3着に入るというあまりにも平凡な結末だったので面白味がなかったという声があった。確かにそんな気もしたが、それだけダイワスカーレットが強く、対戦した馬たちは成す術がなかった。スピードがあって、そのスピードが長く持続する持ち味を、一点の迷いもなく出し切る騎乗をまたしても見せた安藤勝己とダイワスカーレットは、正に競馬史に残る名コンビと呼んでいいだろう。
このレースを最後に、一昨年の優勝馬スイープトウショウは引退する。秋華賞馬で、牡馬を相手に宝塚記念を勝った女傑は、4歳時に牝馬の頂点を極めたが、今度は次なる世代にその立場を譲った。
64年ぶりに牝馬のダービー馬となったウオッカに象徴される3歳牝馬世代が、今度は牡馬を相手にGI戦でどう戦うか、是非そんなシーンを見てみたい。ジャパンCから有馬記念へと、今年の中央競馬もクライマックスを迎える。年度代表馬の行方も気がかりで、結果次第では予想もつかない結末になるかもしれない。殊勲のウオッカをどう処理するかだって、見過ごせないし、この先何が待ち受けているか。
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