競輪
反省反省、また反省
- 2007年11月20日(火) 23時47分
11月3週目。まずは重賞回顧です。
東京スポーツ杯2歳S、個人的には「参った」のひとことでした。まず走破時計の1分47秒4は、このレース史上2番目の好タイム。馬場差を抜きにした単純比較ではありますが、歴代の水準以上であったことは間違いないでしょう。
勝ったフサイチアソート(牡、母アーネストデザイア、美浦・岩戸孝樹)は、前走の新馬戦は重馬場の競馬で、当連載でもまったく触れていませんでした。その不明を恥じるばかりですが、道悪ながら、前週良馬場のいちょうSとほぼ同タイムで走破していたことを、強調しておくべきだったのかもしれません。この新馬戦で2着だったニシノエモーションが、この日の3Rの未勝利戦をレコード勝ち。フサイチの激走の前兆はあったということでしょう。
馬群の内を割れるセンスがあり、切れも十分。トワイニング産駒という先入観で語ってはいけないということでしょう。フォーティナイナーの系列には、この後取り上げるサダムイダテン。またエンドスウィープ産駒の数々の名馬を見てもわかるように、ダートだの短距離だの決めつけてはいかんということを、改めて思い知らされました。反省です。
2着スズジュピター(牡、母ジュピターズジャズ、美浦・高橋裕)は休み明けで距離克服。3着スマイルジャック(牡、母シーセモア、美浦・小桧山悟)は前走よりはマシでしたが、今回も切れ負け。共にタニノギムレット×サンデーの配合ですが、牝系の差でスズに軍配が上がった格好。ただ新馬戦を勝ったばかりの馬に完敗ですから、今後はもう一皮むけてほしいところです。
4着ゴスホークケン(牡、父Bernstein、母Allthewaybaby、美浦・斎藤誠)は、マイラーのひとこと。朝日杯FSへの出走ができれば面白いのですが、微妙ですね…。
とにかく、今年の2歳戦の傾向として、スローからの上がり勝負に勝って、「直線の見かけはスゴいが勝ち時計が目立たない」というタイプの馬が、昇級して人気になったものの、時計の裏付けがある馬にゴロゴロ負けるというケースが目立っています。評判に囚われず価値を見極める必要を、痛感しています。
東京からの他のレース、先に述べたニシノエモーション(牡、父シンボリクリスエス、母ナドラ、美浦・手塚貴久)は間違いなく重賞勝ち負けクラス。
18日日曜の6R、芝1800mの新馬戦を勝ったオーロマイスター(牡、母フェアリーワルツ、美浦・大久保洋吉)は、上がり33秒台の脚でスローペースから追い込み、一瞬で先頭へ突き抜けました。1分50秒7のタイムは平凡ですが、他の同距離の、同じスローの新馬戦や未勝利戦に比べれば十分上位にランク。ゴールドアリュール産駒で、新馬戦のあとはジリ貧になる傾向がここまで出ていることは懸念されますが、切れは一級品でした。
京都では、先ほどチラッと触れましたが土曜6Rのサダムイダテン(牡、母ウメノダンサー、栗東・中村均)。1600mを1分35秒0は、翌日の2歳500万よりも0.4秒速く、同日の未勝利戦より0.6秒速い高レベル。フォーティナイナー産駒で、マイネルキーロフの半弟ですが、兄よりも切れます。マイラーだと思いますが、今後警戒の1頭。
土曜3Rの未勝利戦(芝2000m)はアルスノヴァ(牝、栗東・池江泰寿)。同日12Rの古馬500万と0.5秒差の2分2秒4ならタイム的には及第点。ただ時計だけでなく、先行抜け出しの危なげのなさは、余裕たっぷりです。父ダンスインザダーク、母オリエンタルアート、つまりドリームジャーニーの半妹。ただしマイラーの切れを見せる兄とは違い、こちらは脚を長く使えるダンスインザダーク産駒の特徴を見せています。
土曜9Rのもちの木賞(ダート1800m)は掛け値なしのレコードと見ていいでしょう。勝ったレインボーペガサス(牡、栗東・鮫島一歩)は、テンションは高い馬ですが、とにかくレースに行っての反応が素晴らしい。翌日の古馬500万を0.1秒上回って、しかも楽勝でした。父アグネスタキオン、母ギャンブルローズ。もしかしたら、祖母の名牝ユキノローズに流れるミルジョージの血が強く出たのかも。大物ダート馬でしょう。
最後に福島からは、土曜の新馬戦(ダート1700m)を勝ったサクセスブロッケン(牡、母サクセスビューティ、栗東・藤原英昭)。レコード自体はサンプルの少ない距離なので価値はそう持ち上げられませんが、勝ち方が終始流しての圧勝。シンボリクリスエス産駒の新馬戦勝ちも珍しいもの。もともと、同産駒はダートでも相当の馬が出ると見ていましたが、その嚆矢となるか、期待の1頭です。
今週はジャパンCウィーク。毎年のことですが、東京ではこの週は新馬戦の粒が揃うので、楽しみな限りです。
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東京スポーツ杯2歳S、個人的には「参った」のひとことでした。まず走破時計の1分47秒4は、このレース史上2番目の好タイム。馬場差を抜きにした単純比較ではありますが、歴代の水準以上であったことは間違いないでしょう。
勝ったフサイチアソート(牡、母アーネストデザイア、美浦・岩戸孝樹)は、前走の新馬戦は重馬場の競馬で、当連載でもまったく触れていませんでした。その不明を恥じるばかりですが、道悪ながら、前週良馬場のいちょうSとほぼ同タイムで走破していたことを、強調しておくべきだったのかもしれません。この新馬戦で2着だったニシノエモーションが、この日の3Rの未勝利戦をレコード勝ち。フサイチの激走の前兆はあったということでしょう。
馬群の内を割れるセンスがあり、切れも十分。トワイニング産駒という先入観で語ってはいけないということでしょう。フォーティナイナーの系列には、この後取り上げるサダムイダテン。またエンドスウィープ産駒の数々の名馬を見てもわかるように、ダートだの短距離だの決めつけてはいかんということを、改めて思い知らされました。反省です。
2着スズジュピター(牡、母ジュピターズジャズ、美浦・高橋裕)は休み明けで距離克服。3着スマイルジャック(牡、母シーセモア、美浦・小桧山悟)は前走よりはマシでしたが、今回も切れ負け。共にタニノギムレット×サンデーの配合ですが、牝系の差でスズに軍配が上がった格好。ただ新馬戦を勝ったばかりの馬に完敗ですから、今後はもう一皮むけてほしいところです。
4着ゴスホークケン(牡、父Bernstein、母Allthewaybaby、美浦・斎藤誠)は、マイラーのひとこと。朝日杯FSへの出走ができれば面白いのですが、微妙ですね…。
とにかく、今年の2歳戦の傾向として、スローからの上がり勝負に勝って、「直線の見かけはスゴいが勝ち時計が目立たない」というタイプの馬が、昇級して人気になったものの、時計の裏付けがある馬にゴロゴロ負けるというケースが目立っています。評判に囚われず価値を見極める必要を、痛感しています。
東京からの他のレース、先に述べたニシノエモーション(牡、父シンボリクリスエス、母ナドラ、美浦・手塚貴久)は間違いなく重賞勝ち負けクラス。
18日日曜の6R、芝1800mの新馬戦を勝ったオーロマイスター(牡、母フェアリーワルツ、美浦・大久保洋吉)は、上がり33秒台の脚でスローペースから追い込み、一瞬で先頭へ突き抜けました。1分50秒7のタイムは平凡ですが、他の同距離の、同じスローの新馬戦や未勝利戦に比べれば十分上位にランク。ゴールドアリュール産駒で、新馬戦のあとはジリ貧になる傾向がここまで出ていることは懸念されますが、切れは一級品でした。
京都では、先ほどチラッと触れましたが土曜6Rのサダムイダテン(牡、母ウメノダンサー、栗東・中村均)。1600mを1分35秒0は、翌日の2歳500万よりも0.4秒速く、同日の未勝利戦より0.6秒速い高レベル。フォーティナイナー産駒で、マイネルキーロフの半弟ですが、兄よりも切れます。マイラーだと思いますが、今後警戒の1頭。
土曜3Rの未勝利戦(芝2000m)はアルスノヴァ(牝、栗東・池江泰寿)。同日12Rの古馬500万と0.5秒差の2分2秒4ならタイム的には及第点。ただ時計だけでなく、先行抜け出しの危なげのなさは、余裕たっぷりです。父ダンスインザダーク、母オリエンタルアート、つまりドリームジャーニーの半妹。ただしマイラーの切れを見せる兄とは違い、こちらは脚を長く使えるダンスインザダーク産駒の特徴を見せています。
土曜9Rのもちの木賞(ダート1800m)は掛け値なしのレコードと見ていいでしょう。勝ったレインボーペガサス(牡、栗東・鮫島一歩)は、テンションは高い馬ですが、とにかくレースに行っての反応が素晴らしい。翌日の古馬500万を0.1秒上回って、しかも楽勝でした。父アグネスタキオン、母ギャンブルローズ。もしかしたら、祖母の名牝ユキノローズに流れるミルジョージの血が強く出たのかも。大物ダート馬でしょう。
最後に福島からは、土曜の新馬戦(ダート1700m)を勝ったサクセスブロッケン(牡、母サクセスビューティ、栗東・藤原英昭)。レコード自体はサンプルの少ない距離なので価値はそう持ち上げられませんが、勝ち方が終始流しての圧勝。シンボリクリスエス産駒の新馬戦勝ちも珍しいもの。もともと、同産駒はダートでも相当の馬が出ると見ていましたが、その嚆矢となるか、期待の1頭です。
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