歳月人を待たず、ただ漫然と月日を送っているくせに月日の流れるのが早いと、年末になるといつも言っている。特に、競馬のサイクルの中にいるとその感じが一層強い。
中でも、重賞レースの競走名には、歳月の流れを感じさせる効果があり、そのレールに乗っている身には、一年を一気に突っ走っているような思いが強くしてくる。
この重賞レースの体系がはっきりつくられてかなりの月日が経つが、一応確立された姿がある中で、あまり知られていないもうひとつの重賞のサイクルがある。
愛知杯といえば、平成16年から3歳以上の牝馬限定の重賞になったばかり。現在の姿になって今年が4回目と歴史は浅いが、去年、春にヴィクトリアマイルが創設され、3歳以上の牝馬重賞が10レースとなり、1月の京都牝馬Sから12月の愛知杯まで、大きくひとつの牝馬重賞サイクルと捉えることができるようになった。題して「牝馬10番勝負」。このサイクルの節目になるGIが、春のヴィクトリアマイル、秋のエリザベス女王杯で、これにより牝馬の現役寿命が延びたのは確かだ。
まだ日が浅いので「牝馬10番勝負」としての見方は希薄だが、戦う側の意識は、見る側とは比べものにならない筈だ。目指すものがはっきりしてくると、そのステップとしての重賞の在り方にも厚味が出てくる。頂上へのルートがそうして出来上がってくるので、分かりやすくなる。「牝馬10番勝負」はかくしてその姿をはっきり見せてくる。
今のところ、秋のエリザベス女王杯が、旧古馬勢力に対し、桜花賞、オークス、秋華賞と戦ってきた3歳馬がどう立ち向かうかの決戦の場としての見方が定着しているが、春のヴィクトリアマイルは、まだまだこれからだ。
そうした中での愛知杯だが、このレースの延長上に何が見えているか、それがはっきりしてくると、もっと面白くなってくる筈なのだが、もう少し年月がかかりそうだ。
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