先週は、有馬記念前だからか、出馬の質が今ひとつ。2歳戦もひと息ついた感があります。ただし、何頭かは目配りすべき馬がいましたので、チェックは怠れません。

　阪神から参ります。土曜はさっそく1Rから、ダート1800mの未勝利戦で2着に2.5秒もの差をつけて、ド派手な勝ち方をした馬が登場。クロフネ×ビーバップという配合のアドマイヤスワット(牡、栗東・橋田満)です。時計は前週の古馬1000万のゼンノコーラルの勝ちタイムに匹敵するもの。軽いダートならかなりのスピードを発揮しそうです。ダート路線での注目馬。


　土曜の芝1400mのOP特別、さざんかSは、見た目も時計も凡戦。勝ったマヤノベンケイ(牡、父マヤノトップガン、母ポットブリリアンス、栗東・梅内忍)ですが、差して勝った前週500万下のラペよりも、0.2秒遅いタイムでの逃げ切りは、巧くペースにはめたという印象しかありません。2着ダノンゴーゴー(牡、父Aldebaran、母Potrinner、栗東・橋口弘次郎)は、前を甘く見すぎたか。スタートが悪く、詰めて届かないレースが続いていますが、いい加減どうにかしないと、こういう癖が定着してしまう上に、道中での挽回のための無理が蓄積して、大成を阻む事にもなりかねません。


　日曜5Rのダート1200mの新馬戦を、9馬身差で圧勝したのがシルクビッグタイム(牡、美浦・久保田貴士)。血統的には、スピード任せのスプリンターというよりも、馬力で押し切ったという印象。父デピュティミニスター、母ハローレイチェルでゼンノロブロイの従弟という良血馬。おそらく今後はダート中距離で大成するのでは。


　なお日曜4Rの未勝利戦では、ブーケフレグランス(牝、母スカーレットブーケ、栗東・角居勝彦)がまさかの3着敗退。気の悪い面を見せていたうえに、距離もマイルでは足らないようです。現時点では兄ダイワメジャー、姉ダイワスカーレットと比べるのはかわいそう過ぎます。体型も父ダンスインザダークに似ていますし、ジックリ育ってほしいところ。


　中山です。土曜の500万下、ひいらぎ賞はレオマイスター(牡、父ニューイングランド、母ローズレッド、美浦・古賀慎明)の器用さが目立ちましたが、展開にも恵まれた感が否めず、大物感は…というと疑問。これは2着タケショウオージ(牡、父コマンダーインチーフ、母タケショウティアラ、美浦・国枝栄)にも言えること。タケショウは坂を克服したのは収穫でした。むしろ5着に負けたルシフェリン(牡、父アグネスタキオン、母レイサッシュ、美浦・二ノ宮敬宇)が、枠に泣いたうえに幼さを見せており、次走立て直してきそうな気配。それから58.5秒のペースを2番手から粘ったメスナー(牡、父ロサード、母キャニオンステラ、美浦・稲葉隆一)も、人気にならないタイプだけに相手次第では今後も警戒必要でしょう。

レース結果レース映像
　最後に土曜中京の中京2歳S。ネオユニヴァース、メイショウサムソン、去年はアドマイヤオーラにダイワスカーレットと、名馬の登竜門として今や朝日杯よりも重要な？　意義を持ってきたレースですが、今年はどうだったかと言いますと…。

　勝ったホッカイカンティ(牡、父パラダイスクリーク、母シンコウバレリーナ、美浦・柴田政人)の1分47秒7の勝ち時計については、さほどの値打ちは見られません。前週の1000万を上回ってはいますが、これは古馬戦がスローすぎたため。去年よりも0.1秒速いですが、スローから上がり33秒台で勝ち負けしたダイワとアドマイヤに比べると、こちらは緩めの1000m59.2秒から、上がり35.0秒で逃げ切ったので、単に後ろが弱かったという判断もできます。

　ホッカイは、私事ながら前走の京王杯で本命にした馬。そこでは負けてなお強しだったのですが、この距離延長はプラスではないと見ていただけに、少々驚きでした。今後は勝ち負けというよりも、決め手の無いレースぶり、血統だけに、重賞で掲示板を繰り返すイメージ。

　2着ノットアローン(牡、父アグネスタキオン、母ソニンク、栗東・橋口弘次郎)は、武豊でも制御に苦労する気の悪さを出しての粘りですが、この折り合いを直さないと…。5着オーロマイスター(牡、父ゴールドアリュール、母フェアリーワルツ、美浦・大久保洋吉)は、展開が向かなかったことが大きい。あとコーナーリングがあまり巧くなく、小回りでは厳しいかも。東京専用馬になる可能性もあります。


　来週は2歳最重要戦？　といわれるラジオNIKKEI杯2歳S。混戦の世代に核ができるかどうか、楽しみな一戦です。

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