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年始から好素材出撃

  • 2008年01月08日(火) 23時55分
 今さら新年のご挨拶も興ざめとは思いますが、今年もよろしくお願い致します。

 年始からなかなかの馬が揃った3歳戦。未勝利戦では今年から優先出走権が5着以内に拡大されたために、出走馬のほとんどが前走5着までの馬が揃ってしまうため、大きな変わり身を見せるケースがいきなり減ったように思います。そのためか、順当な結果が目立ちましたが、その反面、適性を探る余裕がなくなり、距離延長や芝・ダート替わりでの大きな能力アップを見せづらくなってしまうのではないかという危惧も感じています。

 さて本題に戻って中山から参ります。5日の3歳未勝利戦はサトノプログレス(牡、父タイキシャトル、母トウヨウロイヤル、美浦・国枝栄)の順当勝ち。マイルの1分35秒8は、見かけは年末7日目の3歳以上1000万下、ノエル賞のコンティネントと同タイムですが、馬場差が0秒8程度違うので、手放しでは認められません。時計的には水準やや上程度となりますが、これまで戦ってきた相手が東京スポーツ杯勝ちのフサイチアソート(牡、父トワイニング、母アーネストデザイア、美浦・岩戸孝樹)に、ホープフルS勝ちのマイネルチャールズ(牡、父ブライアンズタイム、母マイネプリテンダー、美浦・稲葉隆一)あたりで、しかもこれら相手に勝ちに行く競馬をしてきて上位を続けてきただけのことはある力を見せました。マイケルバローズの全弟、大物感は今ひとつですが、堅実にオープンで戦えるタイプでしょう。


 同日の500万下寒竹賞、2000mは、メンバー的にはインパクトの薄い顔ぶれ。しかしハイペースとなったため、時計は馬場差が近かった前開催初日の葉牡丹賞よりも1秒近く速くなりました。アイティトップ(牡、父マヤノトップガン、母トウキュウアビー、美浦・矢野照正)自身の上がり35.5秒は、ペースが速かったために掛かったもので、これでも他の馬より1秒前後速い上がりタイム。数字以上の価値を認めるべきです。これで新馬、特別の連勝。地味ですがスタミナを求められる展開になれば、中距離戦線で要注意です。マイルでは厳しいでしょう。


 翌6日は、初ダートのエアマックール(牡、母Macarena Macarena、美浦・伊藤正徳)が1分55秒3で快勝。前日の古馬500万、ファイトスピリッツの勝ちタイムに0.2秒劣るだけでした。Giant's Causeway産駒だけに、ダートで才能開花ということでしょう。


 関東での先週の最大注目レースは、芝マイルのジュニアC。追い込んで勝ったスマートファルコン(牡、母ケイシュウハーブ、美浦・畠山吉宏)が、9番手前後で1000mを通過しましたが、そこでの通過でも59.7秒。逃げたメスナー(牡、父ロサード、母キャニオンステラ、美浦・稲葉隆一)だと57.6秒というかなりのハイペースとなりました。勝ち馬、そして2着のオーロマイスター(牡、父ゴールドアリュール、母フェアリーワルツ、美浦・大久保洋吉)、ともに展開に恵まれた面は否めませんが、スマートファルコンの方は上がりが34.4秒と、2番目3番目の上がりを使った馬よりは1.2、1.3秒も速い上がりを見せました。この馬の瞬発力は、展開だけに恵まれたものではないとみます。父ゴールドアリュール、母の父がミシシッピアンという配合からも、芝はまったく問題なしと見てはいましたが、それにしてもここまで切れるとは意外でした。

 以前高評価したマルターズオリジン(牡、父Swain、母Affirmed Halo、美浦・水野貴広)は、先々が楽しみな内容。またルシフェリン(牡、父アグネスタキオン、母レイサッシュ、美浦・二ノ宮敬宇)は、この激流を前に行った馬の中では唯一掲示板確保。カリカリしていたことと、ササっていたことは次走心配ですが、マイラーとしての力はかなりありそうです。


 京都では、5日1Rのコロナグラフ(牡、母フラワーコロネット、栗東・浅見秀一)がかなりの好内容の勝ち方を見せました。ダートで破格の勝ち方をする馬が目立つ世代ですが、またしても1頭大物候補が登場。1分53秒3は、同日の4歳以上500万下のヒシウィンザー(牡、父シングスピール、母ヒシラヴァー、栗東・河内洋)とは0.5秒差、翌日の1000万下とは0.3差。ゴール前控えてのものだったので、未勝利戦でのこのタイムは相当の価値があります。ジャングルポケットがダート種牡馬としての適性を徐々に発揮しはじめています。


 4Rの500万下は、以前書いたようにシルクビッグタイム(牡、父Deputy Minister、母ハローレイチェル、美浦・久保田貴士)が快勝。メンバーも揃っていただけに、やはりかなりの強さです。引き続き期待大。


 そして6日の福寿草特別。強引な競馬だったホープフルSから中1週、その点が心配されたブラックシェル(牡、父クロフネ、母オイスターチケット、栗東・松田国英)ですが、キングスエンブレム(牡、父ウォーエンブレム、母スカーレットレディ、栗東・石坂正)、ファリダット(牡、父Kingmambo、母ビリーヴ、栗東・松元茂樹)を一蹴、万全の勝ち方を見せました。距離には限界がありそうですが、まだもうひと段階上がありそうな内容。キングスエンブレムは最初に動いて勝ちに行っての2着で上々。重賞で勝ち負けの力はあります。問題はファリダット。完全にキングスエンブレムマークで進みながらの、ゴール前失速は、やはり距離が限界だとしか思えません。新馬勝ちの時に書いたように、マイラーとしての資質が高いということでしょう。


 今週末はいよいよ3歳重賞がスタートし、クラシックへの直結度が高まっていきます。シンザン記念は下り坂を利しての、スピード寄りの決着になりがちなので、ここまでの回顧からマイラーとしての資質を窺わせた馬を探りなおしたいと思います。

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